IDC Japanは2015年3月16日、2014年の国内サーバー市場動向の調査結果を発表した。2014年の出荷額と出荷台数、ベンダー別の出荷額などを公表し、併せて、直近となる2014年第4四半期(10~12月)の市場動向も発表している。
IDC Japanの調査では、2014年の国内サーバー市場の出荷額は4697億円で、2013年と比べて1.7%増だった。出荷台数は57万台で、こちらも2013年より0.4%増加した。
x86サーバーとスーパーコンピューターの出荷額が2013年より増えている。x86サーバーの場合、平均単価が上昇したことにより出荷額が増加した。IDC Japanでは、円安による部材コストの上昇が販売価格に転嫁されたほか、サーバー集約のニーズで1台あたりのメモリ搭載量が増えたことなどが増加の要因だと分析する。
スパコンの場合、「地球シミュレータ」や大学における大規模システムなどの受注の影響により出荷額が大幅に増加したようだ。これに対し、RISCプロセッサおよびIA64プロセッサ搭載のUNIXサーバー、ビジネスサーバー、メインフレームの出荷額は2013年より減少している。
IDC Japanはベンダー別の出荷額も調査している。その結果、NECが1位となった。同社製スパコンー「SX-ACE」が出荷額の増加に貢献し、x86サーバーの出荷額も2ケタ成長と好調だった模様だ。2位は富士通で、NECも含めて前年と同順位だった。3位はHPで、前年まで3位だったIBMを抜いた。4位に下がったIBMは、x86サーバー事業をレノボに売却したほか、メインフレームが2桁のマイナス成長だったことが後退の要因に挙げられる。
出荷台数のシェアも1位はNECで、富士通、HP、デル、日立製作所、IBMが続く。なお、顧客の要望に応じた製品を受託製造するODM(Original Design Manufacturer)のサーバー出荷台数は2013年と比べて63.2%も増加しており、サーバー市場全体の7.9%を占めている。これは上位ベンダーの占める割合に相当する規模となっている。クラウドサービス事業者などのユーザー企業がODMから直接サーバーを調達する「ODMダイレクト」の動きが加速しているという。
IDC Japanは、直近となる2014年第4四半期(10~12月)のサーバー市場動向も発表している。出荷額は1338億円で、前年同時期(2013年第4四半期)と比べて15.7%増加した。出荷台数は14万3000台で、同時期と比べて2.9%減だった。
ベンダー別の出荷額では富士通が1位。x86サーバーとRISCサーバーが堅調であることに加え、メインフレームのプラス成長が出荷額の増加を牽引した。以下は、NEC、HP、日立製作所、IBM、デルが続く。IBMは前年同期と比べて2つ順位を下げる結果となった。
製品別の出荷額では、x86サーバー、メインフレーム、UNIXサーバー、スパコンが2013年第4四半期と比べてプラス成長だった。メインフレームは5四半期ぶり、UNIXサーバー12四半期ぶりにプラスに転じている。x86サーバーの出荷額は、10四半期連続でプラス成長だったが、出荷台数は3四半期連続でマイナス成長となった。情報サービスやヘルスケア、運輸サービスなどの業界において1000台以上の大規模受注があったものの、それ以外は規模が小さかったようだ。また、サーバー集約が進んでいることも台数減に影響した。