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[調査・レポート]

ウォーターフォールとアジャイル開発はどちらが優位か? “超高速開発”を含めて、JUASが3手法の分析結果を公表

2015年4月20日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2015年4月15日、「ソフトウェアメトリックス調査2015」の概要を発表した。今回は、開発生産性を高めるものとして関心が高まっている、アジャイルと超高速開発のアプローチについて、その実態を明らかにする試みをしているのが特徴だ。

xRADのツールを分類

 となると「この分析は大した意味はない」ようにも思えるが、それは違う。Agileが「システム再構築」プロジェクトでも問題ないことを示したし、xRADの有用性を実証してもいる。そもそも調査で引き出したプロジェクト実施例は規模や目的、難易度もすべてバラバラ。3つの手法を比較するには、比較できるサンプルをうまく取り出し、規模や複雑さに関するメトリックスを設ける必要がある。そこにJFSを適用した。加えて3つの手法がそれぞれ単独で利用されているとは限らず、WF+AgileやWF+xRADのプロジェクトもある。そうした”悪条件”を乗り越え、各手法の利点を可視化する試みは貴重だ。

 しかも今回のメトリックス調査では、xRADのツール分類、特徴把握を試みてもいる(図4)。ツールベンダーに調査を依頼してまず、39種に及ぶ市販ツールを、(1)設計・コード生成型、(2)設計・実行エンジン型、(3)業務モデル作成支援型、(4)テスト自動実行型、(5)その他(プログラム不要のEAIや画面生成ツール)に分類。その上で仕様の記述方法(自然言語ないしそれに近い高級言語、プログラム言語に近い擬似コード、ビジュアル言語など)や、ツールを利用する前に作成すべきドキュメントの種類(ビジネスプロセス図、業務フロー、データモデルなど)、使いこなしを習得するのに要する期間などを調べているのだ。

図4 超高速を謳う開発ツールがサポートしている工程  出典:JUAS
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 ここまでxRADと表現してきたツールを、ツール・ベンダー各社は「超高速開発」と称している。しかし、そもそもコーディングをしないので、生産性が高くなるのは当たり前。“超高速”とは何がどの程度高速になることか、一方で用途や自由度はどの程度制約されるのか、習得に要する時間は、といった情報はツール同士を比較できる形では提供されていない。工学の視点に欠け、マーケティング色が強いわけだ。そこに工学の視点を持ちこんだ点でも意義がある。

 一方で今回のソフトウェアメトリックス調査は、プロジェクト実例がまだ多くないこと、Sapiensなど一部のツールが備える例外処理のロジックを自動生成する機能などに言及がないことなど、今後に期待される事柄は残る。次回はパッケージ・ベースの開発やPaaS上のマッシュアップにも踏み込んだ分析を期待したい。

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超高速開発 / ローコード / JUAS / アジャイル / ウォーターフォール

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