米EMCは2015年5月4日〜7日(現地時間)に、年次イベント「EMC World 2015」を米ラスベガスで開催した。そこで同社が強調するのは“アジャイル”や“DevOps”といったアプリケーション開発関連のキーワード。ストレージベンダーであるEMCがなぜアジャイル/DevOpsなのか。その答えは、今後の主流と目されるハイブリッドクラウド環境の構築に向けて、企業が持つプライベートなPaaS(Platform as a Service)/IaaS(Infrastructure as a Service)基盤の提供にEMCが本腰を入れることにある。具体的にどんな製品を投入するのか、4日〜6日のそれぞれに開かれた3つの基調講演を中心にみていこう。まずは4日の基調講演のテーマであったストレージ製品から紹介する。
EMC World 2015のテーマは「REDEFINE.NEXT」。前年のテーマ「REDEFINE(新定義)」を受けており、さしずめ「新たな定義に沿って次の一歩を踏みだそう」といったところだろう。
3つの基調講演のテーマは明確に分かれていた。4日は、同社のコアテクノロジー部門、すなわちストレージ製品が、5日は米VMwareや米Pivotalといったグループ企業を含めた“フェデレーション(連合)”型の製品群である。そして6日が将来に向けたエマージングテクノロジー部門の取り組みだ。この順序には意味がある。企業がプライベートクラウド構築に乗り出すための1つの方向を示しているからだ。それはどういうことか。
構築すべきは「デジタル時代のビジネスを支えるIT」
EMC World 2015初日の基調講演に最初に登壇したのは、インフォメーションインフラストラクチャー部門のCEO(最高経営責任者)であるDavid Goulden氏。同氏は、「わずか5年後の2020年には、スマートフォンなどを対象にしたモバイルアプリケーションが日常生活に浸透している。そうした時代のビジネスはITがリードすべきである」と指摘する。
そのためには、「モバイル、クラウド、ビッグデータ、ソーシャルに対応できる第3のプラットフォームが必要だ。だが、そこで重要なのは、対顧客向けのサービスを提供するアプリケーションの開発であり運用である」(同)と強調する。
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