[データ分析が導く製造業の変革]

【第2回】精度追求型データ分析における分析テーマの作成

2015年6月9日(火)本橋 智光、山崎 知美(新日鉄住金ソリューションズ)

ビジネスの展開領域が幅広い製造業では、どの業務を対象に、どんなデータ分析を実施すべきかを十分に検討する必要がある。その一環として前回は、製造業のデータ分析には「精度追求型」と「速度重視型」の2タイプがあると説明した。今回と次回は、精度追求型のデータ分析におけるプロセスの実施内容について説明する。今回は分析テーマの作成を取り上げる。

 製造プロセスにおけるデータ分析は決して新しい取り組みではない。これまでも、生産スケジューリングや、工場レイアウトの計画、製造プロセスの自動化や設備保全計画など、多岐に活用されてきた。いずれも、製造手法が大きく変わらない限り、分析に基づく利益を享受し続けられる。

 加えて、分析の精度がコストに直結する場合がほとんどである。そのため、製造プロセスにおけるデータ分析では、その精度の向上が重要なテーマとして取り組まれてきた。

 製造プロセスにおけるデータ分析において、ビッグデータやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)への注目が高まっている理由も、ここにある。大量データの処理コストやセンサーの導入コストが下がり、現実的なコストで大量データを分析できれば、さらなる精度向上が期待できるためだ。

 例えば、従来1秒間隔でとっていたデータを0.1秒間隔に変更したり、センサーの設置間隔を短くしたり、あるいは、より高い解像度で画像データを分析できるようになっている。従来では計算処理量が多く扱いづらかった分析アルゴリズムを利用して分析精度を高めることも可能である。

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