[データ分析が導く製造業の変革]

【第4回】速度重視型データ分析の対象は人の行動や感情

2015年8月11日(火)本橋 智光、山崎 知美(新日鉄住金ソリューションズ)

製造業では、研究から企画・製造販売・サポートなど幅広い業務があり、どの業務を対象に、どのようなデータ分析を実施すべきかを十分に検討する必要がある。これまでに、製造業のデータ分析には「精度追求型」と「速度重視型」の2タイプがあること、そして精度追求型のデータ分析について説明してきた。今回は、速度重視型のデータ分析における課題とトレンドを紹介する。

 製造業における企画や販売のプロセスでは、クレーム処理や品質保証などの業務にデータ分析を用いる。例えば自動車業界では、顧客や、部品、製造、販売の各データに加え、VOC(Voice of Customer:顧客の声)やクレーム情報を用いて、故障の原因分析や顧客対応の効率化を図っている。これらのデータ分析では、高い精度を求めることよりも、短期間で結果を得ることを重視する「速度重視型」になることが多い。

人を対象にした分析ではデータが十分にそろわない

 速度重視型のデータ分析に共通する性質として、分析対象に人の行動や感情が含まれるという点がある。クレーム処理や品質保証の場合、顧客が製品をどのように使用した際に故障が発生したのか、顧客が製品のどのような点に不満を感じているのかなど、人の行動や感情が分析対象になる。

 人を対象としたデータ分析では、多くの場合において下記のような点が課題になる。

課題1:人の行動や評価指標の数値化が難しく、分析に必要なデータが揃いにくい
課題2:データソースの1つとしてアンケートなどにより人からデータを収集する場合、バイアスがかかるためデータの信頼性を確保しにくい
課題3:上述の課題1と課題2の結果として、何が要因となって結果に影響を及ぼしているのか、因果関係を導出しにくい

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