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[市場動向]

さくらインターネット、太陽光発電所を開所し石狩データセンターに直流送電開始

2015年8月10日(月)河原 潤(IT Leaders編集部)

さくらインターネットは2015年8月10日、さくらインターネット石狩太陽光発電所(北海道石狩市)を開所し、同社の石狩データセンターへの送電を開始したと発表した。発電した電力を交流電力に変換することなく、直流のまま石狩データセンターへ送電し、専用のサーバールームに給電する仕組みを整えた。

 2011年11月にオープンした石狩データセンターはさくらインターネットの旗艦データセンター施設である。北海道ならではの低温外気をサーバールームの冷却に活用する外気空調方式を採用し、都市型データセンターに比べ約6割の電力消費量削減を実現(同社)しているのが特徴だ。

写真1:さくらインターネット石狩太陽光発電所の太陽光パネル一部(出典:さくらインターネット)

 石狩データセンターでは、2013年3月より高電圧直流(HVDC)給電システムが商用環境で稼働中で(NTTデータ先端技術が特許を有する「HVDCDC12V」方式を採用)、石狩太陽光発電所はこのシステムの特性を生かすことにつながる。石狩太陽光発電所で発電した電気は直流のため、HVDCサーバへ直流のまま給電することができるからだ。なお、石狩太陽光発電所は、経済産業省から受託している高温超電導プロジェクトにおいて、太陽光発電所からデータセンターまでの500mの距離を超電導ケーブルで接続し、給電する実験の一端も担っている。

 石狩太陽光発電所は、給電状況を自動で判別し、天候などの問題で発電できないときは交流系統から、停電などの場合はバッテリーから給電できる優先制御の仕組みにより、高い可用性を確保する(図1)。また、発電量を最大限に引き上げる制御機構を備えた製品を採用し、再生可能エネルギーをムダなく利用する工夫も施されている。

図1:石狩太陽光発電所における優先制御の仕組み(出典:さくらインターネット)

 大量のIT機器を運用し、日々莫大な電力を消費するデータセンター/クラウドサービス事業者にとって、自社努力による消費電力の削減は社会的責任となっている。現在1・2号棟が稼働中の石狩データセンターが将来、全8棟を稼働させた場合、約4000ラック分のサーバが電力を使用する計算になる。そこで同社は、再生可能エネルギーを売電することなく完全自社利用を可能にする目的で石狩太陽光発電所を建設し、この日開所に至ったという経緯だ。

 さくらインターネットは、今後の3号棟以降の建設にあたり、適時最新の省エネ技術を取り入れて、石狩データセンター全体の最適化を図っていくとしている。

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