中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。
中国第13次5カ年計画に「ロボット産業発展計画」が盛り込まれる
―中国証券報(2016年4月6日)
中国の工業・情報化省、発展・改革委員会、財政部が共同で「ロボット産業発展計画」を発表した。同計画には、中国のロボット産業における迅速かつ健全で持続可能な成長を提唱しており、次の5項目の主要任務と6項目の政策措置を掲げている。
■主要任務
(1)象徴となりうる目玉製品の開発に率先して取りかかる。スマート製造、スマート物流など、生活をスマート化させるための分野のほか、特殊作業におけるニーズにも答える。
(2)高精密減速器や高性能な駆動器、コントローラー、センサーなどロボットの中心部となる部品の生産技術を大きく発展させる。
(3)産業の基礎能力の強化を図り、中心的技術の研究と業界基準の構築を強化する。ロボットイノベーションセンターや国家ロボット評価測定センターを設立する。
(4)ロボット応用のモデルケースを推進する。製造業の重点的分野でモデルプロジェクトを実施する他、災害支援、医療・リハビリテーションなどの分野にも拡大させる。
(5)業界のリーディングカンパニーを育成し、インターネット企業と伝統的ロボット製造企業との異業種融合を図る。リーディングカンパニーの牽引によって良好な産業環境を形成し、中小企業を「専、精、特、新」の方向へ成長させる。
■政策措置
(1)資金・資源の集約、および地域産業への政策的指導を強化し、ロボット産業チェーンや生産要素の集約化を図る。
(2)財政支援を強化し、国家プロジェクトによる科学技術の支援事業に組み込んでロボットおよび中心的部品の研究開発や産業化を支援する。
(3)資金調達のルートを拡充し、金融機関によるロボット産業チェーンに対しての理解度を高め、優良なるロボット企業への融資やM&Aを支援する。ロボットの賃貸モデルを推進する。
(4)良好なる市場環境を整え、工業用ロボットの産業規範を制定して、各方面の資源を優良な企業へ集中させる。ロボットの認証制度についての研究を行う。
(5)人材チームの強化を図る。ロボット産業における人材育成を組織的に実施し、大学におけるロボットに関する学科も増設する。就職支援に係る職業訓練にもロボット関連を盛り込む。
(6)国際的な交流と提携を拡大し、政府や業界団体、企業などの複数のルートを利用して、技術、業界基準、知的財産権、測定・認証などの分野で国際交流と提携を行う。
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