2016年10月の3本:AWSがVMwareおよびSalesforce.comと協業/NECとGEがIoT分野で包括的提携/米国でネットサービスに大規模なDDoS攻撃
2016年11月9日(水)松岡 功(ジャーナリスト)
2016年10月のニュースから松岡功が選んだのは、「AWSがクラウド事業でVMwareおよびSalesforce.comと協業」「NECとGEがIoT分野で包括的提携」「米国でネットサービスに大規模なDDoS攻撃が発生」の3本である。
AWSがVMwareおよびSalesforce.comと協業
米Amazon Web Services(AWS)が2016年10月13日、米VMwareとの戦略的提携、および米Salesforce.com日本法人との協業強化を発表した。
AWSとVMwareの提携では「VMware Cloud on AWS」が発表された。AWSクラウドのベアメタル上でVMware環境を実現し、ハイブリッドクラウドの構築を容易にする。発表会では、AWSのアンディ・ジャシーCEOとVMwareのパット・ゲルシンガーCEOが揃って説明に立った。
一方、AWS日本法人のアマゾンウェブサービスジャパンとSalesforce.com日本法人のセールスフォース・ドットコムの協業強化は、両社のクラウドサービスを連携させることによって、日本のユーザーニーズにきめ細かく応えていこうというものだ。そのために、連携に向けたエンジニアリングを強化し、両社のパートナーエコシステムを効果的に結びつけるとともに、連携の要となるPaaS(Platform as a Service)に注力するとしている(写真1)。
[選択理由]
この2つのパートナーシップによって、ユーザーのクラウド利用に選択肢が広がるからだ。AWS、VMware、Salesforce.comのいずれもが確固たる顧客基盤を保持しているだけに、今回の相互連携は大きなインパクトがあると筆者は見る。
AWSとVMwareの提携発表会では、とりわけゲルシンガー氏の「AWSはVMwareにとって主要なパブリッククラウドインフラのパートナーとなり、VMwareはAWSにとって主要なプライベートクラウドのパートナーになる」との発言が印象的だった。ユーザーにとっては、両社の利用環境を組み合わせたハイブリッドクラウドの構築が容易になると期待できる。
一方、AWSとSalesforce.comの両日本法人の協業強化は、2016年5月にSalesforce.comが主要クラウドサービスのインフラにAWSのIaaSを採用するとした発表の延長線上にある動きだ。ただし米国での5月の発表内容と比べれば、両日本法人の協業強化の対象は一部にとどまっている。
とはいえ、発表会では両社のパートナービジネスの責任者が顔を揃えて説明に立ち、日本独自の取り組みを強調した。セールスフォース・ドットコムの手島主税 常務執行役員は、「今回の取り組みは両社協業の序章にすぎない」とも述べ、さらなる協業拡大を示唆した。両社のユーザーにとっては、一段と柔軟なクラウド利用を図れる可能性がありそうだ。
NECとGEがIoT分野で包括的提携
NECと米GE(General Electric)が2016年10月26日、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)分野で包括的提携を結んだと発表した(写真2)。
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