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米Egenera、オンプレミスからの移行支援などクラウド卸売サービスのメニューを拡充

2016年11月14日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

情報システム部門、あるいはシステム子会社、システムインテグレータ(SI)やITの販売代理店などに向けて"クラウドの卸売り"サービス「Xterity Cloud Services」を展開するのが米Egenera。新たに、ライフサイエンス業向けサービス「GxP Cloud」を追加したり、Xterityの展開拠点を増設したりするなど、サービス強化を図っている。

 2番目はクラウドマイグレーションサービス「Xterity Cloud Migrates」の提供だ。オンプレミスのLinuxやWindowsサーバー、VMware上のシステムを、Xterityを使ったクラウドサービスに移行させる。「VMware上のシステムを移行する場合、VMwareイメージを取得したり環境を検証したりするために、これまでは1週間ほど必要だった。このサービスは、準備や評価、なるべきことの確認、Xterityへのマイグレーションの実行を自動化するた約4時間で終了する」(同社)という。

 実際には米RiverMeadow Softwareのクラウド移行サービス(SaaS)を、Egenera Cloud Suiteに含まれる管理ソフトウェア経由で利用する形になる。RiverMeadowのサービスは、日本国内ではNEC ネッツエスアイが販売している。利用料は原則として無料だが、Xterityを使ったクラウドサービスに移行した後、1年以内に利用を停止するなどした場合には実費ベースの利用料を徴収する。

 第3は、Xterityの主力サービスの1つである「Backup-as-a-Service」を、クライアント機にまで拡充したこと。「元々、サーバーのディザスタリカバリー(DR)に備えるのがXterityの特徴だ。だが、顧客からはクライアント機のバックアップに対する要望があった。何らかの災害時に被害を受けるのはサーバーだけとは限らないからだ。クライアント機のデータもバックアップし、リカバリーできるようにすることで復旧をより早期化できる」(Pete Manca CEO)。

 ここでクライアント機にはWindowsやMacのようなPCだけでなく、AndroidやiOSも含む。このサービスには、米Asigraのバックアップサービスを使用する。料金はデータ量による従量制だが、「Asigraにはデータ圧縮機能があるので、Xterityを使うクラウドサービス事業者の利益を乗せても、合理的な水準に収まる」(同)とする。管理ツールである「PAN Cloud Director」も改良し、3.0版をリリースした。

 一方、Xterityの拠点に関しては、現在の北米、日本、英国に加え、2017年1月に独フランクフルトを、その後にシンガポールや豪シドニーに増設する。「パフォーマンスとデータ配置/コンプライアンスの不安を払拭するためだ」(同)。

 2015年12月に150社だった顧客企業数は「数百社としか言えないが、収入は100%以上増加している。多くは各地のデータセンター事業者を使っていた企業であり、スケーラビリティやDRを考慮して移行している。それにつれてSI企業など再販事業者も増えている」。

 Egenera日本法人によると「2015年5月にスタートした時は2社だった日本の事業者も現在10社になった。大手のネットワールドのほか、SI企業が多い。AWSやAzureでは差別化が難しく特徴を打ち出しにくいのが、Xterityを採用する大きな理由である」。しかし「クラウドへのシフトはまだ始まったばかり。成長の可能性は非常に大きい(図2)。Xterityにも大きなビジネス機会があり、さらなるサービス拡充を進めていく」(Manca CEO)考えだ。

図2:クラウド市場の成長予測図2:クラウド市場の成長予測
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