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米Egenera、オンプレミスからの移行支援などクラウド卸売サービスのメニューを拡充

2016年11月14日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

情報システム部門、あるいはシステム子会社、システムインテグレータ(SI)やITの販売代理店などに向けて"クラウドの卸売り"サービス「Xterity Cloud Services」を展開するのが米Egenera。新たに、ライフサイエンス業向けサービス「GxP Cloud」を追加したり、Xterityの展開拠点を増設したりするなど、サービス強化を図っている。

 米Egeneraが展開する「Xterity Cloud Services」(以下Xterity)は、世界各国でデータセンター(DC)事業を営む米Equinixの物理ITリソースと、Egeneraのクラウド管理ソフトウェア群「Egenera Cloud Suite」を使ったクラウドサービスだ。Egeneraは卸売りに徹し、IT事業者、IT販売会社、情報システム子会社などが自身のブランドを冠して、ユーザー企業や親会社にサービスを提供できるようになる。

 AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureのクラウドと比べると利用料金は当然高くなる。だが、例えばAWSなどが99.95%をうたう可用性を99.99%に高めたりベアメタルサーバーを用意したりと、ミッションクリティカルなシステム向けの堅牢性、信頼性の高さが売りだ。ありそうでなかったユニークなサービスであり、ビジネスモデルといっていい。

 Egeneraは、そんなXterityサービスの拡充を進めている。最近も、3つの機能を追加した。1つは、ライフサイエンス業界(製薬、食品、医療機器など)向けの「GxP Cloud」(図1)。ライフサイエンス業界では「優良試験所基準」「医薬品臨床試験の実施基準」「適正製造基準」といった要件や基準、規制の遵守が求められる。これらを総称して「GxP(Good XXX Process)」と呼ぶ。企業は関連する情報システムがGxPを満たすべく適切に開発・検証・運用されているかを示さなければならない。

図1:GxP Cloudの概要図1:GxP Cloudの概要
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 医薬品の品質保証を例に挙げると、品質を調べるためにソフトウェアやハードウェアの導入・運用などに関して、予め認証を受けておく必要があるということでもある。でないと不正の可能性があるからだ。データ管理についても同様で、ライフサイエンス業界では相当のコストと手間をかけて、これらを準備実施している。

 これに対し、GxP Cloudは名前から推察できる通り、認証済みのシステム基盤を用意する。実際には、アイルランドにあるOdyssey Validation Consultants(OVC)という専門企業が開発したもので、OVCが導入コンサルティングも提供する。EgeneraのCEOであるPete Manca氏は「ライフサイエンス企業は、必要の都度、GxPのシステムを用意するプロジェクトベースから、オペレーショナルベースに転換できる。時間やコストの削減につながる」とする。ただAWSもGxPへの取り組みは進めている(関連資料)。

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