東京海上日動火災保険は、従業員のコミュニケーション基盤としてビジネスチャットサービス「Works Mobile」を導入する。サービスを提供するワークスモバイルジャパンが、2016年11月21日に発表した。
FacebookメッセンジャーやLINEトークなど、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に実装されているチャット機能は、コンシューマ領域における日常的な連絡手段としてすっかり定着した感がある。特にLINEは、文章では伝えにくい微妙なニュアンスをイラストで伝えるスタンプ機能や、相手が内容を確認したかが分かる既読表示機能などの使い勝手が受けて、幅広い層にユーザーを増やしている。
日頃使い慣れたツールを、ビジネスシーンでも使いたいというニーズが出てくるのは自然の流れ。もっとも、セキュリティやコンプライアンスの観点から、多くの企業がコンシューマ向けサービスの利用を禁じている。反則とは知りつつ現場主導で勝手に使う“シャドーIT”の動きが出てきたり、その一方では、セキュリティ対策などに配慮したビジネス用途のチャットサービスが登場したりしているのが昨今の状況だ。
東京海上日動火災は、かねてからワークスタイル改革に積極的に取り組んでいる1社。競争が激化している損保業界にあって、顧客や代理店と向き合う時間を少しでも多く捻出することが欠かせない。タブレット端末の配布、Web会議システムの導入、ペーパーレス化の推進などの施策と並行して事務作業の簡素化も徹底し、生産性やサービスの向上につなげてきた。
一連の取り組みの中で懸案となっていたのが日々のコミュニケーション基盤である。報告・連絡・相談を気構えることなく速やかにこなし、俊敏に事業を遂行するのみならず、組織の活性化も狙うには、現場スタッフからの要望が根強いチャットの仕組みが有力候補となる。しかし、業界の安全基準への対応など慎重に考慮すべき点も少なくない。同社は、最近になって裾野が広がってきたビジネス向けチャットサービスを比較検討。最終的には、自社要件に見合った「Works Mobile」の採用を決めた。2016年11月に約1万人を対象に導入し、1年以内にはグループ会社含め3万人規模にまで拡大する考えだ。
Works Mobileを提供するワークスモバイルジャパンは、LINEと共にNAVERグループに属し、いわばLINEと兄弟会社の関係にある。ユーザーインタフェースの見た目も操作体系もLINEと大きく変わるところはなく、特別な操作研修など受けなくても直感的に扱えるのが特徴だ。また、暗号化やマルウェア対策をはじめ、ビジネス利用で不可欠なるセキュリティへの取り組みも前面に打ち出している。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 東京海上日動火災保険 |
事業内容 | 損害保険 |
導入システム | ビジネス向けチャットサービス |
導入目的 | 従業員のコミュニケーション円滑化、組織の活性化 |
主な利用製品 | Works Mobile(ワークスモバイルジャパン) |
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