バックアップや情報管理のためのツール群を提供する米ベリタステクノロジーズ(Veritas Technologies)が、文書ファイルや画像、動画などのファイルの保管情報について調査した。それによれば、全世界のオフィスワーカーの7割強が、利用目的が不明瞭なデータについても「溜め込みがち」だと自覚していた。同社は、こうしたファイルの放置が、ITインフラコストの押し上げや、情報漏洩リスクの温床になると指摘している。日本法人が2016年12月に調査結果を公表した。
米ベリタステクノロジーズ(Veritas Technologies)が公表したのは「データホーディングレポート(Data Hoarding Report)」。ここでの「Hoard」とは「貯蔵する」「買いだめする」「死蔵する」といった意味を持つ言葉。今回は、「意識的に、あるいは無意識に、自分や会社にとっての真の価値やリスクを考慮することなく、また意図もないままデータをためこんでいる人々・企業」を「Data Hoarder(データホーダー)」と定義している。対象データは、文書や画像、動画といった非構造データで、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)によるセンサーデータなどの非構造データは含まない。
調査対象者は、世界13カ国のオフィスワーカー(IT意思決定者と一般利用者)で22歳から55歳以上までに分類される男女、1万22人。この中には、日本からの1001人(IT意思決定者が500人、一般利用者が501人)が含まれる。
同調査によれば、自らが「データホーダーである」と自覚しているオフィスワーカーは世界13カ国で72%、日本では54%だった(図1)。これをIT意思決定者に限定すると、世界13カ国では82%、日本では72%にまで高まった。ほぼ同割合のIT 意思決定者が「自分の会社はデータを溜め込みすぎている」とも回答している。
特に日本では、「10 年以上保存しているファイルがある」としたIT 意思決定者が45%、利用者は37%に上り、13カ国中で最も高かった(世界ではそれぞれ25%と26%)。
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ファイルを溜め込むことへの弁解で最も多かったのが、「データがいつか必要になるのではないかと考えている」で47%。「どのファイルを保管または削除すればよいのかわからない」も43%だった。「ファイルの削除に時間がかかりすぎると考えている」(28%)や「自分のファイルが混乱の原因になるとは考えていない」(24%)という声も大きい(図2)。
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