米Dell Technologiesの日本法人の2社であるデルとEMCジャパンは2017年10月20日、社内に情報システム担当者が1人しかいない“ひとり情シス”の状態に悩んでいる中堅企業(従業員100人以上1000名未満)を支援するサービス群を発表、同日提供を開始した。
情報システムを運用する情シス担当者が1人しかいないというような中堅企業に向けて、4つの支援サービスを提供開始した。「可視・定額型サポートメニュー」「終活ソリューション」「ひとり情シス コミュニティ」「ひとり情シス大学」である。
「可視・定額型サポートメニュー」は、個々の情シス担当者の業務を可視化し、サポートサービスを提供する作業を明確化し、分かりやすい定額の金額で提供するサービスである。例えば、「マスターイメージ作成」なら定価2000円(税別)で提供する。
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定額制の作業項目メニューを用意する背景について同社は、情シスが実施すべき作業の内容が明確になっていないことや、ベンダーから提案される作業の詳細が分からず、価格の適正値を判断できないことを挙げる。「業務を洗い出し、IT運用を常に外部ベンダーに依頼できるようにしておく必要がある」という。
具体的な作業項目メニューと定価を記したメニュー表は、10月26日にザ・プリンスパークタワー東京で開催する「Tokyo Dell EMC Forum 2017」で公開する。
「終活ソリューション」は、異動や退職などを機に情シスの作業を他人に引き継げるように支援するサービスである。システム関連ドキュメントを常時最新のものに保つための支援サービスや、システム障害時や災害時にシステムやデータを復旧させる仕組みを構築するサービスなどを提供する。
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Dell EMCユーザー向けにコミュニティサイトと学習動画配信も提供
「ひとり情シス コミュニティ」は、デルまたはEMCジャパンの製品を利用しているユーザー企業を対象とした、情シス担当者向けのコミュニティサイトである(URLは「https://www.1manit.com/」)。意見を交わすためのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)機能を提供するとともに、日常のIT運用で起こり得る問題を質問するQAサイトを運営する。
「ひとり情シス大学」は、デルまたはEMCジャパンの製品を利用しているユーザー企業を対象とした、動画による教育コンテンツ配信サービスである(URLは「https://www.1manit.com/academy」)。全150講座で構成し、順次拡充していく。IT製品の運用に必要な基礎技術を学べるほか、セキュリティガバナンスや、ベンダー管理や経営層への交渉術などのコミュニケーション能力を学べる。
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デルとEMCジャパンによると、日本企業約4万7000社の3割にあたる約1万4000社が“ひとり情シス”の状態にあり、今後深刻化していくIT人材不足によって“ひとり情シス”状態も増えていく。特に、社員100人以上1000人以下の中堅企業において顕著であるという。
●Next:ITインフラの仮想化が進まない“ひとり情シス”
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