日本カードネットワークは2017年11月30日、クレジット決済ネットワークシステム「CARDNET」において、人工知能(AI)を活用したネットワーク監視を始めると発表した。同年12月1日から試験運用を始める。本取り組みでは、CARDNETのシステム構築を担当するTISの協力の下、日立製作所の「システム稼働リスク可視化ソリューション」を採用した。
機械学習を活用して、クレジット決済データの流れを分析・監視する。ミドルウェアとして、日立製作所の「システム稼働リスク可視化ソリューション」を採用した。これを使うと、人手では見つけることが困難な、速度の低下やサイレント障害といった潜在的なリスクを早期に検知できるとしている。
具体的には、機械学習にを活用して、通常時のシステムのデータの流れを学習しておく。これと、稼働しているシステムのデータの流れを比較して分析する。これにより、通常とは異なるデータの流れを把握して監視できる。
ネットワーク機器に起因するシステム障害のリスクも把握できるので、障害の発生を未然に防止できる。障害が発生した場合でも、発生箇所や要因を絞り込めるほか、障害箇所から影響を受ける接続先を容易に把握できる。これにより、復旧までにかかる時間を最小限に抑えられる。
監視対象となるCARDNETとは、JCBグループの日本カードネットワークが運営する、クレジットカード会社と加盟店を結ぶクレジット決済ネットワークの1つ。接続するクレジットカードの決済端末は全国で約68万台で、年間処理件数は約126億件。