茨城県つくば市とNTTデータグループ3社(NTTデータ、クニエ、日本電子計算)は2018年1月11日、自治体がRPA(ロボットによる業務自動化)を効果的に活用できるよう、1月11日から共同研究を開始すると発表した。つくば市の既存システムにRPAソフトを導入し、効果を実証する。研究成果は2018年4月以降に公表する。
共同研究では、つくば市役所職員のアンケートやヒアリング結果をもとに、定型的かつ膨大な作業量が発生する業務を抽出する。業務量、難易度、RPAの作業特性などを評価した上で、つくば市の既存システムにRPAソフトを導入し、労働時間の削減や業務品質の向上といった効果を測定し、どんな業務がRPAに適しているのかを分析する。
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RPAソフトには、NTTアドバンステクノロジが開発しNTTデータが販売している「WinActor」を利用する。さらに、WinActorで作成したロボットとロボットの動作シナリオをサーバー上で一元的に管理・統制できる上位のロボット管理ソフト「WinDirector」を使う。多数のロボットを使って複数の動作シナリオを並行処理できる。
研究の成果を受けてつくば市は、2018年度以降、RPAの本格導入の検討を進めていく。一方、NTTデータグループの3社は、つくば市でのRPAの導入プロセスや効果をモデルケースとして、他の自治体でもRPAを活用できるように支援プログラムを構築する。
各社の役割は以下の通り。つくば市は、行政フィールド(自治体業務)、行政実務に関する知識、経験などを提供する。NTTデータは、WinActorおよびWinDirectorを提供し、RPAのシナリオの作成や、職員向けの研修などを実施する。クニエは、RPAを適用する業務の分析、導入効果の検証、RPA支援プログラムの構築などを行う。日本電子計算(JIP)は、住民情報システムの構築/運用ノウハウの提供や、RPAのシナリオ作成などを行う。