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NEC、毎秒10万件超のブロックチェーン取引技術を開発

2018年2月16日(金)IT Leaders編集部

NECとNEC欧州研究所は2018年2月15日、取引記録に参加するノード数200ノード程度の大規模接続環境下で、毎秒10万件以上の記録性能を達成するブロックチェーン向け合意形成アルゴリズムを開発したと発表した。世界規模のクレジットカード取引を支えるシステムに必要とされる毎秒数万件を超える性能であるという。

 NECは今回、記録性能や参加ノード数で従来の方式を超える性能を持った合意形成アルゴリズムを備え、なおかつ関係者外からデータを秘匿できるソフトウェアを開発したという。これにより、高速性と安全性の両面で世界一の性能を実現したとしている。さらに、IoTデバイスからブロックチェーンデータを高速に参照・検証する方式を開発したという。

 本技術によって達成した性能は、世界規模のクレジットカード取引を支えるシステムに必要とされる、毎秒数万件を上回っているという。これにより、記録性能やノード数の制約によってブロックチェーンの適用を断念していたケースに対しても適用できるとしている。また、取引情報のセキュリティとプライバシーを保証することで、個人情報や企業秘密にあたる取引も取り扱えるようになるという。

 NECでは、現在取り組んでいる金融機関との実証実験(PoC)を進める。さらに、金融以外への応用も視野に入れ、社会インフラに要求される性能や機能を実現するブロックチェーンおよび上位レイヤの研究開発を進める。

 今回開発した新技術の特徴は大きく3つある。

 (1)ハードウェア技術を活用して処理速度を高めた。近年の汎用プロセッサが備えるトラステッドハードウェア「TEE」のセキュリティ機能を活用し、参加ノードが合意形成するために必要な通信量と通信回数を削減する仕組み。参加ノード数が200ノード程度の大規模環境下で毎秒10万件以上の記録性能を実現した。

 (2)取引情報のプライバシーを保護できるようにした。取引情報を全参加ノードに一律に公開するのではなく、取引情報の公開範囲を限定できる仕組みを開発した。これにより、特定グループ内の取引情報はグループに属するノードにのみ公開するという制御が可能になった。

 (3)IoTデバイスから高速にデータを参照できるようにした。IoTデバイスがブロックチェーンのデータを参照する際には、個々の参加ノードが故障や悪意により記録と異なる情報を回答する場合があるため、複数の参加ノードに問い合わせて検証する必要がある。これは、処理能力が限られるIoTデバイスには負担になる。これを解決するために、参照の際にも、各参加ノードのTEEを活用して、IoTデバイスでも高速な検証を可能にした。

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