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洋服を画像認識で自動分類、福岡県のクリーニング店がTensorFlowで無人レジ化を目指す

2018年4月4日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

福岡県でクリーニング店舗8店を運営するエルアンドエー(本社:福岡県田川市)は2018年4月4日、グーグルの東京本社で開かれた説明会に登壇し、クリーニング店舗を無人レジ化するための試みとして、ディープラーニングによる画像認識によって洋服を自動で分類するシステムを開発したと発表した。現在はベータ版という位置付けだが、シャツやスーツの認識率は99%に達しているという。2019~2020年には、同システムを利用して無人店舗をオープンしたいとしている。

 エルアンドエーが開発したシステムは、クリーニング店舗において、顧客が持ち込んだ洋服を画像認識し、自動で分類するシステムである。テーブルの上に洋服を置くだけで、Webカメラで撮影した画像から洋服の種類を分類する。洋服の種類ごとにクリーニング代金が異なっており、自動で分類した結果に応じてクリーニング代金を顧客に提示する。狙いは、店舗の無人レジ化である。

図1:テーブルの上にシャツを置いた途端、シャツであることを認識している様子(出典:エルアンドエー)図1:テーブルの上にシャツを置いた途端、シャツであることを認識している様子(出典:エルアンドエー)
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 画像認識によって洋服を分類する仕掛けとして、米Googleが公開しているディープラーニング用のライブラリ「TensorFlow」を利用した。学習用の画像データは実店舗で収集している。洋服を置くテーブルの上を数秒に1回Webカメラで撮影しており、ここに写った洋服の画像を利用する。システム運用時に洋服を分類するための画像も、Webカメラが撮影したものを使う。

写真1:エルアンドエー取締役副社長の田原大輔氏写真1:エルアンドエー取締役副社長の田原大輔氏
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 今回のシステムの特徴は、自前主義でコストをかけずに開発したことである。開発は、エルアンドエーの取締役副社長である田原大輔氏が、ディープラーニングについて学びながら自前でプログラミングした。

 システム機材については、すでにあったWebカメラや、旧式のポリカーボネート製Macbook(SSDに換装)、画像データ格納用の外付けHDD、などを使って安価に揃えた。

 ディープラーニングを業務に活用しようと思い立ったきっかけの1つは、2015年11月にTensorFlowがオープンソースとして公開されたことである。2016年3月から学習用の画像データを収集しはじめ、2017年11月に画像認識システムのβ版をローンチした。現在は洋服を24カテゴリに分類しており、シャツ、スーツ、ズボンについては99%という高い精度で認識できている。

 なぜクリーニング店舗でディープラーニングなのかについて田原氏は、地域の特性、業界の特性、タイミング、の3点が揃っていたことを挙げる。地域の特性については、本社がある福岡県田川市は、「過疎化、高齢化、人口減少が著しい」(田原氏)という。業界の特性については、クリーニング業界の市場規模は縮小しており、1店舗あたりの収益も下がっているため、スタッフを置くことが難しい。

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