PwCコンサルティング合同会社、PwCサイバーサービス合同会社、PwCあらた有限責任監査法人の3社は2018年6月15日、「グローバル情報セキュリティ調査2018」を発表した。結果から、グローバル全体と日本企業とでセキュリティ意識/施策の違いが浮き彫りになっている。
「グローバル情報セキュリティ調査」は、英ロンドンを拠点とするプライスウォーターハウスクーパース(PwC)と米CIO Magazine/CSO Magazineが共同で実施しているサイバーセキュリティ分野のグローバル調査である。
20回目となる2018年版は、2017年4月24日から同年5月26日にオンラインアンケートで実施。調査対象となったのは、世界122カ国(北米38%、欧州29%、アジア太平洋18%、中南米14%、中東および南アフリカ1%)の企業のCEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)、CIO(最高情報責任者)、CISO(最高情報セキュリティ責任者)、CSO(最高セキュリティ責任者)、副社長、ITおよび情報セキュリティ役員9,500人以上。うち日本企業の回答者は257人で、日本語で公開されたレポートには、全体の調査結果に加えて日本企業への示唆が含まれている。
セキュリティインシデントは減少傾向だが……
同調査では毎回、過去12カ月に検知されたセキュリティインシデントの数を報告している(図1)。今回の調査の結果を見ると、一部の業界で例外はあるものの、全体で30%減少している。特にエンターテインメント/メディア業界とテレコム業界では50以上の減少となった。セキュリティインシデントが減少すれば当然、それによる損失も減少する。全体で16%、テレコムは33%、小売では24%の損失推定額の減少がみられ、売上が1000億円以上の大企業でも平均で6%減少している(図2)。
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