米シスコシステムズ(Cisco Systems)の日本法人は2018年10月4日、同年7月13日付けで代表執行役員社長に就任したデイブ・ウェスト(Dave West)氏の就任会見を兼ねた2019年度事業戦略発表会を開催した。ウェスト氏は「2020年の東京オリンピックを目前にして、日本は急速なデジタライゼーションの波にさらされている。シスコ日本法人の代表として、日本企業のデジタライゼーションを加速させることに貢献していきたい」と語り、意気込みを見せた。
IT業界に25年、シスコに18年在籍というキャリアを持つデイブ・ウェスト氏(写真1)。シスコ日本法人の社長に就任する前は米国本社でエンタープライズネットワーク事業ワールドワイドセールス部門のバイスプレジデント、さらにその前はAPJリージョン(アジア太平洋・日本地域)のCTO兼アーキテクチャリーダーという要職を歴任してきた人物だ。
もともとはシステムエンジニア出身で、米海兵隊でネットワーキング&インフォメーションオフィサーも務めたこともあるという、技術にも経営にも精通したエグゼクティブ。シスコに限らず、外資系IT企業の日本法人トップにこうしたタイプの人物が就任することはめずらしい(関連記事:シスコ日本法人の新社長に、アジア地域CTOなどを務めたデイブ・ウェスト氏が就任へ)。
ウェスト氏は説明会で最初に、2018年度のシスコ日本法人のビジネスを総括。以下をハイライトとして挙げた。
●日本におけるデジタル改革支援:製造業の顧客との共同IoTソリューション(累計10)、新規スマートシティ実証事業(2件=京都、日本橋)、Great Place to Work「2018年版 働きがいのある会社」の大規模部門1位
●次世代プラットフォームの構築:インテントベースプラットフォームの大規模案件、ソフトウェアおよびカーリングビジネスの成長
●日本市場により根ざした事業展開:中堅中小市場における継続的な成長、スポーツ&エンターテインメント分野の新たな取り組み
「これらへの取り組みによって、多くの日本企業にデジタルジャーニーのエクスペリエンスを提供することができた」とウェスト氏。2018年度の実績を受け、2019年度は、日本のデジタルエクスペリエンスをさらに拡張すると語り、シスコが提供する「セキュアでインテリジェントなプラットフォーム」をベースに顧客、パートナー、そして社会とともにデジタルイノベーションを“共創”していくとした。
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2019年度の事業戦略においてキーとなるのが2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックだ。シスコは同イベントのオフィシャルパートナー(外資系企業として最初のスポンサー)でもある。そのことから、日本法人だけでなく米国本社も含め、全社的な支援を進めている。
スポンサードの内容も、単にネットワーク機器を提供するだけにとどまらない。各国のアスリートへのデジタルツールを介したサポートや、インバウンド向けのインフラ整備、5Gの普及/促進、中堅中小企業に適したサービスの拡充、さらに製造や金融、ヘルスケアといった業界に特化したソリューションの提供、テクノロジーによる働き方の変革などを通して、「日本社会全体をテクノロジーの力で活性化し、2020年の東京オリンピックを成功に導く」ことを謳っている(写真2)。
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