エンカレッジ・テクノロジは2018年11月27日、基幹システム用ネットワークとインターネットアクセス用ネットワークのようにセキュリティの目的から分離して運用しているネットワーク間で安全にファイルを受け渡せるようにする仲介サーバーソフト「ESS FileGate」の機能上位版「ESS FileGate Plus」を発表した。上位版では、マクロを除去して無害化する機能を追加した。2018年12月上旬から販売する。
エンカレッジ・テクノロジの「ESS FileGate」は、セキュリティの目的に立って互いに分離して運用している2つのネットワーク同士の間で安全にファイルを受け渡せるようにする仲介サーバーソフトである(図1)。仮想アプライアンスの形態で提供する。インターネットアクセス用のLANから、基幹システム用のLANや地方自治体のLGWANなどに対して安全にファイルの内容を受け渡せるようになる。
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ESS FileGateの標準機能では、マルウェアへの感染を引き起こすような不正なコードが含まれているかもしれない文書ファイルを、画像化するという手法によって無害化する。インターネットアクセス用LANから見てESS FileGateはネットワークプリンタに見えており、文書ファイルを印刷することで、不正なコードを含まない印刷画像として保存する。基幹システム用のLANからは、Webブラウザを介してPDF形式で印刷画像をダウンロードする。
ESS FileGateは、印刷イメージによる画像化という方法のほかに、ファイルを画像化せずに元々のファイルのまま安全に受け渡すための機能も備える。オプションを適用することによって、トレンドマイクロのセキュリティソフト「Trend Micro Deep Security」と連携し、インターネットアクセス用LANからファイルを持ち込む際にマルウェア検査を実行できる。ファイルはWebブラウザを介してESS FileGateにアップロードする。
今回、機能上位版のESS FileGate Plusを新たに用意した。上位版では、画像化とマルウェア対策という既存の無害化方法に加えて、新たにファイルに含まれるマクロを除去する無害化方法を追加した(図2)。マクロを悪用した不正なコードの実行を阻止できる。Microsoftオフィス文書(Word/Excel/PowerPoint)とPDFが対象となる。PDFについてはActionScript、JavaScript、Flashの要素を除去する。さらに、文書に埋め込んだ情報(オブジェクト)を削除する機能も搭載した。
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価格(税別)は、以下の通り。一般企業向けのライセンスは、通常版のESS FileGateが1サーバーあたり年額38万円、上位版のESS FileGate Plusが1サーバーあたり年額42万円。地方自治体向けのライセンスは、自治体の人口に応じる。人口3万人未満の場合、通常版のESS FileGateが年額48万円または5年間で216万円、上位版のESS FileGate Plusが年額52万円または5年間で234万円。