IDC Japanは2018年12月27日、2018年第3四半期(7月~9月)の国内サーバー市場動向を発表した。2018年第3四半期の国内サーバー市場全体の売上額は1378億円で、前年同期から14.5%増加した。出荷台数は14万6000台で、前年同期から8.7%増加した。カンパニー別では、富士通が首位を維持し、2位がNEC、3位が日本ヒューレット・パッカード(HPE)だった。
2018年第3四半期の国内サーバー市場は、2四半期連続で、売上額が前年同期比で2桁のプラス成長となった。製品別では、x86サーバーとその他のサーバーが、前年同期比2桁のプラス成長。x86サーバーは、2四半期連続、その他のサーバーは4四半期連続で前年同期比2桁のプラス成長となった。一方、メインフレームは、4四半期連続で前年同期比2桁のマイナス成長となっている。
x86サーバーは、売上額が前年同期比26.8%増の1171億円だった。ネット企業、通信、官公庁向けやクラウドサービスベンダー向けの大口案件、官公庁、文教におけるテクニカルコンピューティング用途の大口案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。出荷台数は、前年同期比8.9%増の14万4250台だった。
その他のサーバーは、売上額が前年同期比17.5%増の112億円だった。通信向けビジネスサーバーの大型案件や、金融、製造向けRISCサーバー/IA64サーバーの大型案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。出荷台数は、1.9%減の1220台だった。
メインフレームは、売上額が前年同期比48.5%減の95億円。前年同期にあった金融、製造向けの大型案件の反動で、2桁のマイナス成長となった。
IDC Japanでは、国内サーバー市場成長の要因の1つとして、x86サーバーの平均単価が前年同期比で上昇したことを挙げる。x86サーバーの平均単価上昇は、搭載するプロセッサのコア数上昇と、これに伴うメモリーや内蔵ストレージの容量増加が背景にあるという。
富士通が首位を維持、2位はNEC、3位は日本ヒューレット・パッカード
カンパニー別の売上額では、富士通が首位を維持した(図1)。メインフレームは、前年同期比で2桁のマイナス成長だったが、x86サーバーは、文教向けテクニカルコンピューティングの大口案件、通信、官公庁向けの大口案件などがあり、2桁のプラス成長、その他のサーバーは横ばいだった。
2位はNEC。その他のサーバーは、官公庁向けの大型案件などで3桁のプラス成長だった。メインフレームは、2桁のマイナス成長、x86サーバーも、マイナス成長だった。
3位は日本ヒューレット・パッカード(HPE)だった。その他のサーバーは、2桁のマイナス成長だったが、x86サーバーは、通信やサービス業向けの大口案件などがありプラス成長だった。
4位はデル。ネット企業や通信向けの大口案件などを受注し、2桁のプラス成長となった。
5位は前四半期より順位を1つ上げた日立製作所である。メインフレームは、金融向けの大型案件があり3桁のプラス成長、その他のサーバーは、2桁のプラス成長、x86サーバーもプラス成長だった。なお、製造元への直接発注案件のODM(Original Design Manufacturer)Directの売上額は前年同期比、23.6%のプラス成長となり、3位のHPEに次ぐ規模だった。
出荷台数は富士通が首位を維持、HPEが順位を1つ上げ、2位となった。3位以下は、NEC、デル、ファーウェイ(Huawei)の順だった。なお、ODM Directの出荷台数は前年同期比、6.9%のプラス成長となり、3位のNECに次ぐ規模だった。