富士通研究所は2019年4月1日、ディープラーニングの学習時間を短縮する技術を開発し、学習時間を測定するベンチマークテストで74.7秒の世界最高速で学習を完了したと発表した。従来の最速記録を30秒以上短縮した。ベンチマークテストには、国立研究開発法人産業技術総合研究所に富士通が導入した「AI橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure)」(ABCI)を利用した。
富士通研究所はディープラーニングの学習速度を測定するベンチマークテストを実施し、従来の最速記録を30秒以上短縮する74.7秒で学習を完了した。
画像認識のためのディープニューラルネットワーク「ResNet-50」(米Microsoftが開発)を使い、画像認識精度を競うコンテスト「ILSVRC2012」(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge 2012)での画像データの学習に要した速度を測定した。
学習速度を高める仕掛けとして、ディープラーニングの学習の進捗に応じて学習強度を適切に調整するという手法を採用した。学習の精度を低下させることなく、GPU1個あたりの計算量を増やせる。これにより、分散並列処理の効率を高めた。
計算資源として、産総研に富士通が導入したABCIを利用した。2048個のGPUを利用した。オープンソースのディープラーニングソフトウェアに、今回開発した技術を適用して測定した。
●Information
「富士通フォーラム2019」開催決定、今年のテーマは
「Human Centric Innovation : Driving a Trusted Future」
2019年5月17日(金)/東京国際フォーラム(有楽町)/イベント公式サイト
富士通フォーラムとは──
デジタル時代の信頼を実現する最先端のテクノロジーと、デジタル技術を活用し業種・業務を超えた共創の取り組みを幅広く紹介する富士通の年次イベント。
主なプログラム──
44のセミナー、3つのフロントラインセッション(国内外の先進事例など)、13のカンファレンス(各分野のエキスパート解説など)、28のビジネスセッション+ハンズオン/ワークショップ(顧客事例/ユースケースなど)、約100種の展示