日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2019年5月27日、マルチクラウドの活用を支援するSIサービスに「Right Mix」の名称を付け、コンサルティングサービス「HPE Right Mix Advisor」を新たに体系化して整備したと発表した。ユーザーから見て、これまでよりもコンサルティングの精度やスピードが向上したとしている。「コンサルティング専業会社よりも安い」(同社)提供価格を設定しているという。
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日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2年半前に、SI(システム構築)サービス事業を「HPE Pointnext」の名称でリブランディングし、SIサービス事業の組織名にも採用した。
同社 Pointnext事業統括 執行役員の小川光由氏(写真1)は取り組みの背景として、同社が他のSIベンダーと比べて「IT機器ベンダーの印象が強く、SIサービス事業者としての印象が弱かった」ことを挙げる。
今回、SIサービス事業(HPE Pointnext)を強化し、特にマルチクラウドの活用を支援するSIサービスにRight Mixの名称を付けた。用途に適したクラウドサービスを適材適所で選択するという意味である。さらに、Right Mixを冠した新サービスとして、マルチクラウド活用に関する上流のコンサルティングサービスを整備し、HPE Right Mix Advisorの名称で体系化した。
HPE Right Mix Advisorは、これまでユーザーに提供してきたマルチクラウドの活用に関する上流コンサルティングサービスを体系化したもの。用途に適したクラウドを選び、用途に適した移行方法で移行できるように支援する。サービスから得られる成果物はこれまで提供してきたコンサルティングサービスと同様だが、HPEは、今回のサービスの整備によって、ユーザーから見たコンサルティングの精度やスピードが向上したとしている。
HPE Right Mix Advisorでは、マルチクラウド化の全体計画を立案し、クラウド活用のPoV(価値検証)を実施し、実行計画を具体化する(図1)。全体計画では、ビジネスの背景と必要IT施策を洗い出し、クラウドのアーキテクチャや移行ロードマップを検討する。PoVでは、実際にどのくらいコストを削減できるのかなど、クラウド活用によって得られる価値を検証する。
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クラウド活用のロードマップを策定するステップは4つ、まず、CMDB(構成管理データベース)などからシステムに関するデータを収集し、依存関係を把握する。次いで、分析とマッピング、移行パターンの特定、などを実施する(図2)。クラウドへの移行パターンとしては、リホスト、リプラットフォーム、リファクタ、リプレース、リテイン、リファイルなどがある。
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