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北原病院グループとNEC、生体認証を用いた本人意思に基づく救急医療の実証を開始

2019年7月10日(水)IT Leaders編集部

東京都八王子市を拠点とする北原病院グループ(医療法人社団KNIとKitahara Medical Strategies International:KMSI)は2019年7月9日、NECと協力し、KMSIの会員制医療・生活サポートサービス「北原トータルライフサポート倶楽部」の会員を対象に、1人ひとりが受けたい医療や希望する生活に関する「意思」を取得・保管し、必要時に提携医療機関に提供することで、救急医療などに活用できるようにするシステム「デジタルリビングウィル(DLW)」の実証を7月に開始したと発表した。

 「デジタルリビングウィル(DLW)」は、救急搬送を受け入れる医療機関において、あらかじめ保管しておいた治療についての本人意思を、生体認証で確認するシステムである(図1)。

図1:「デジタルリビングウィル」の実証イメージ(出典:医療法人社団KNI、Kitahara Medical Strategies International、NEC)図1:「デジタルリビングウィル」の実証イメージ(出典:医療法人社団KNI、Kitahara Medical Strategies International、NEC)
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 今回、実証を開始するに当たってKMSIは、「新技術等実証制度」(規制のサンドボックス制度)の認定を2019年6月28日に取得した。同実証を通じて、救急医療受入時における生体認証による本人確認や、事前同意を踏まえた医療行為の提供などに関する効果検証を行う。なお、医療分野で、顔画像や指静脈・指紋による生体認証を用いた本人確認を活用した実証計画の認定は初めてとなる。

 KMSIは、今後一層進む少子高齢化や、それと同時に問題化する社会保障財源の枯渇のなかで、医療・社会の機能を維持するためのモデル「八王子モデル」を提唱するとともに、2018年3月から包括的な生活サポートを行う会員制のサービスである北原トータルライフサポート倶楽部を提供している。

 今回の実証では、北原トータルライフサポート倶楽部の会員を対象にして、医療機関の救急医療受入時に、生体認証を用いた本人確認の円滑かつ安全な実施、DLWに登録された本人意思の確認、および、救急医療等の効率的・効果的な実施に資することについての確認を行う。

 生体認証を用いた本人確認は、NECの生体認証「Bio-IDiom」の顔認証や指静脈・指紋認証を組み合わせて行う。将来的には、同システムを社会実装することにより、患者の受けたい医療や希望する生活を守るとともに、救急医療現場での迅速かつ適切な医療提供や、医療従事者の負担軽減を図るとしている。

 実証期間は、2019年7月1日から2020年6月30日までの1年間で、実施場所は、KMSI、KNI、八王子市内の提携医療機関(1~3カ所程度)。参加者などの範囲は、北原トータルライフサポート倶楽部会員で規制のサンドボックス制度による実証の説明を受け協力することに同意した人、救急搬送された会員以外の患者で生体認証データの検証が必要であるとして依頼した人のうち同意した人、規制のサンドボックス制度による実証の説明を受け協力することに同意した提携医療機関である。

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