矢野経済研究所は2019年7月25日、国内におけるデータ分析に関連した人材の規模を調査した。国内データ分析関連人材は、2018年度の実績値で4万4200人だった。2019年度(見込み)は6万3400人で、2022年度には11万6000人に達すると予測している。
矢野経済研究所は今回、データ分析プロジェクトに携わるデータ分析人材の規模(人数)を調査した(図1)。分析コンサルタント、データサイエンティスト、分析アーキテクト、プロジェクトマネージャ、という4つの人材を対象に、これらの合計を人数ベースで算出した。
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調査は、2019年4月から6月にかけて実施した。調査の結果、国内のデータ分析人材は、2018年度の実績で4万4200人だった。2019年度は6万3400人を見込んでおり、2022年度には11万6000人に達すると予測している。
職種別(分析コンサルタント、データサイエンティスト、分析アーキテクト、プロジェクトマネージャ)では、いずれの職種も伸びていく。AIやIoTといった分野を問うことなく、データ分析案件が増えている。
現在のところ、データモデルの構築などを含め、データの分析自体に価値を見出す傾向にある。しかし今後は、データの活用戦略を策定するフェーズの重要性が増し、分析コンサルタントの需要が高まっていく。
データ分析人材が増える要因の1つは、データ分析人材を育成する研修である。ベンダーは、社内向けに、プログラミング言語「Python」の研修など、各種研修の整備を進めている。また、ユーザー企業向けに研修サービスを提供するベンダーもある。
ユーザー企業も研修を取り入れている。「データサイエンティストの育成」と「全社的なデータ分析に基づく意思決定の浸透」の2面で、社員に研修を受けさせている。
ベンダーやユーザーがデータ分析人材を増やす背景について同社は、各種センサーやスマートデバイスの普及によって膨大なデータを収集できる環境にある中、収集したデータを整理・分析する需要が高まっていることを挙げる。
「こうした需要を受けて、制度面では、営業秘密などの産業データやパーソナルデータの保護・活用に向けた法環境が整ってきている。教育面においては、人材の輩出に向けて大学の教育改革や小中高において新たな教育指針を打ち出すなど、短期・中長期的な教育環境の変革が進みつつある」(同社)。