デルとEMCジャパンは2019年9月18日、PCサーバーの新製品として、CPUに最新の第2世代AMD EPYCプロセッサを搭載したPCサーバー5モデルを発表した。同日から順次受注を開始する。第1世代のAMD EPYCを搭載した既存サーバーよりも性能が向上している。説明会に登壇した日本AMDは、AMD EPYCはIntel XeonよりもTCOが高いとアピールしている。
PCサーバー「Dell EMC PowerEdge」では、米Intel製CPUを搭載したモデルのほかに、米AMD製CPUを搭載したモデルを提供している。2018年2月から、第1世代のAMD EPYCプロセッサを搭載したモデルを販売してきた。今回、第2世代のAMD EPYCプロセッサの提供が2019年8月に始まったことを受け、これを搭載したモデルを用意した(写真1)。
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既存モデルが搭載している第1世代のAMD EPYCと、今回リリースする第2世代のAMD EPYCの主な違いは、1CPUあたりの最大コア数が32コアから64コアへと倍増していることと、コアあたりクロックあたりの性能が最大15%向上していること。L3キャッシュ容量もコアあたり2倍に増やした。さらに、CPU間の通信やメモリーとの通信、外部I/O(PCI Express)との通信を高速化した。コアは最小8コア~最大64コアから選べる。
Xeonと比べてTCOを44%に削減した事例を紹介
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説明会では、日本AMDで代表取締役を務める林田裕氏(写真2)が登壇し、Intel Xeonプロセッサと比べたAMD EPYCプロセッサの優位点をアピールした。AMD EPYC(64コア)の1ソケットでIntel Xeon Platinumの2ソケットと同等以上の性能、AMD EPYC(32コア)の1ソケットでIntel Xeon Platinumの1ソケットと同等以上の性能が出せる、としている。
林田氏は、AMD EPYCによってシステムのTCO(総所有コスト)が下がったユーザー事例も紹介した。Javaを使ったオンラインリテーラーのシステムである。Intel Xeon 8280を搭載した2ソケットサーバー×60台のシステムを、AMD EPYC 7742を搭載した2ソケットサーバー×33台に置き換えた。
サーバー台数は従来の45%になり、TCOは従来の44%になった(図1)。性能は従来の83%になったが、Javaシステムの処理性能は1秒あたり1100万オペレーションで変わっていないという。
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また、2ソケットサーバーと同等以上の性能を1ソケットサーバーで実現できると、CPUソケット数に応じたライセンスを課しているミドルウェアを使っている場合、ライセンス費用を削減できる。
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