米オラクル(Oracle)は、「職場におけるAI(人工知能)」に関する年次調査の結果を公開した。回答者の64%は、マネージャーよりもロボットを信頼している。また、回答者の82%は、マネージャーよりもロボットのほうが物事をうまくこなすと考えている。日本オラクルが2019年10月15日に国内で発表した。
「職場におけるAI(人工知能)」に関する調査は、米Oracleと米Future Workplaceが共同で実施した年次調査であり、今回で2回目となる。調査対象は、世界10カ国(米国、英国、フランス、中国、インド、オーストラリア/ニュージーランド、シンガポール、UAE、ブラジル、日本)の従業員、マネージャー、人事部門リーダー、合計8370名である。
回答者の64%は、マネージャーよりもロボットを信頼している。マネージャーよりもロボットを信頼している上位回答者は、インド(89%)と中国(88%)の従業員である。シンガポール(83%)、ブラジル(78%)、日本(76%)、UAE(74%)、オーストラリア/ニュージーランド(58%)、米国(57%)、フランス(56%)、英国(54%)と続く。また、男性(56%)は、女性(44%)以上にマネージャーよりもAIを信頼している。
回答者の82%は、マネージャーよりもロボットのほうが物事をうまくこなすと考えている。ロボットはマネージャーよりも何が優れているのかを質問したところ、偏見のない情報の提供(26%)、作業スケジュールの維持(34%)、問題解決(29%)、予算管理(26%)という回答が挙がった。
一方、マネージャーはロボットよりも何が優れているのかを質問したところ、従業員の感情の理解(45%)、従業員の指導(33%)、職場文化の創出(29%)という回答が上位3つを占めた。
過半数の従業員はロボットの同僚を歓迎
なお、職場で何らかの形でAIを利用していると回答した従業員は、昨年は32%に過ぎなかったが、今年は50%となった。中国(77%)とインド(78%)の従業員は、フランス(32%)や日本(29%)の従業員の2倍以上AIを受け入れている。
過半数(65%)の従業員は、ロボットの同僚がいることについて楽観的であり、それを喜び、歓迎している。また、約4分の1は、職場でのAIとの関係を、愛情にあふれた、満足のいくものであると回答している。
AIを最も喜んでいるのは、インド(60%)と中国(56%)の従業員であり、UAE(44%)、シンガポール(41%)、ブラジル(32%)、オーストラリア/ニュージーランド(26%)、日本(25%)、米国(22%)、英国(20%)、フランス(8%)となっている。
また、職場におけるAIに対して、男性は女性よりも肯定的であり、楽観的であるという回答は男性の32%に対して女性は23%だった。
AIはシンプルさとセキュリティが必要
従業員の76%(および人事リーダーの81%)は、職場での技術変化のペースについていくのが大変だと感じている。従業員は、AIに対してシンプルな体験を求めており、より優れたユーザーインタフェース(34%)、ベストプラクティストレーニング(30%)、行動に合わせてパーソナライズされた体験(30%)が求められている。
職場でAIの利用から従業員を遠ざけている一番の理由は、セキュリティ(31%)とプライバシー(30%)である。デジタルネイティブなジェネレーションZ(43%)とミレニアル(45%)は、ジェネレーションX(29%)およびベビーブーマー世代(23%)以上に職場でのプライバシーとセキュリティを懸念している。