[市場動向]

NECと日立、RPAの運用を支援するソフトを相互にOEM供給、RPA運用管理ガイドも共同で策定

2020年1月23日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECと日立製作所は2020年1月23日、システム運用管理ソフトウェアの製品相互供給を主とした提携を発展させ、協業範囲を拡大すると発表した。RPA(ロボットによる業務自動化)の運用管理が抱える課題の解決に取り組む。RPA関連のソフトウェアを相互にOEM(相手先ブランドによる生産)供給するほか、RPAの運用管理ガイドを共同で策定する。

 NECと日立製作所は、システム運用管理ソフトウェアの製品相互供給を主とした提携を広げ、協業内容を拡大する。RPAの運用管理が抱える課題の解決に取り組む。具体的には、RPA関連のソフトウェアを相互にOEM供給するとともに、RPAの運用管理ガイドを共同で策定する。

 まず、RPA関連の運用管理ソフトウェアを相互にOEM供給する(表1)。両社の運用管理ソフトウェア製品群に新たにラインアップし、2020年3月から順次販売を開始する。これにより例えば、RPA化に適した作業を選定しやすくなるほか、RPA化した作業の実施状況の一元管理が容易になる。

表1:相互供給を開始する製品の一覧
  名称 概要 販売開始時期
NECから日立へのOEM供給 WebSAM IT Process Operations for RPA RPA導入支援およびPC作業手順記録 2020年3月
WebSAM IT Process Operations IT運用改善支援
日立からNECへのOEM供給 JP1/Client Process Automation クライアント業務自動化 2020年6月
JP1/Navigation Platform 運用ナビゲーション支援

 NECから日立にOEM供給するソフトウェアは、「WebSAM IT Process Operations for RPA」(RPA化の対象となる作業の操作内容を記録できるソフトウェア)と「WebSAM IT Process Operations」(システムの運用状況を可視化するソフトウェア)の2つ。日立は、これらをJP1の新版「V12.1」(2020年1月リリース)のラインアップに加え、2020年3月から販売する。

 日立からNECにOEM供給するソフトウェアは、「JP1/Client Process Automation」(クライアントPC向けのジョブスケジューラ)と「JP1/Navigation Platform」(運用手順やノウハウを可視化・共有化して運用担当者に操作をナビゲートするソフトウェア)の2つ。NECは、これらを2020年6月から販売する。

RPA運用管理に役立つ指針をまとめたガイド文書を公開

 両社は、RPAの運用を継続的に改善するための運用管理ガイドも共同で策定する。2020年3月から両社のWebサイトで公開する。両社の運用管理ベンダーとしての知見とノウハウを取り入れ、RPA運用管理に役立つ指針などをまとめた、としている。

 運用管理ガイドでは、RPAの本格導入において必要になる運用設計やガバナンス統制の考え方、稼働後の実行統制、RPA稼働環境の監視などを掲載する。さらに、RPAの導入評価や改善、変更点の管理といった各種シーンに対応可能な指針、直面することの多い課題に対する対応策などを掲載する。

 今後、他のシステム運用管理ベンダーの知見も取り入れたガイドへと発展させていく予定である。

 なお、NECと日立は、2001年11月にシステム運用管理ソフトウェア分野において提携した。その後、アプリケーション管理やセキュリティポリシー管理分野におけるソフトウェア製品の相互供給を、NECの統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」および、日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」において進めてきた。

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NEC / 日立製作所 / WebSAM / JP1 / 協業・提携

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