Dropbox Japanは2020年1月24日、国内の知識労働者など800人を対象に、ITツールの利用状況を調べた結果を発表した。20代と30代は、ITツールの利用効果を強く実感しており、特に「仕事相手とのやり取り、コラボレーションがしやすくなった」点に利点を見出している。調査は2019年10月にインターネットを介して実施した。
Dropbox Japanは、国内の知識労働者など800人を対象に、ITツールの利用状況を調べた。同社は明記していないが、ここで言うITツールとは、メールやグループウェア、ビジネスチャット、ビジネスSNSなどの情報共有、コミュニケーション/コラボレーション系のアプリケーションやクラウドサービスを指している。
調査の結果、ITツールの利用効果に対する実感に世代間ギャップがあることが分かった。20代は50代よりも利用効果を強く実感している。また、20代では、業務時間外のメール対応が増えるといった、ITツールの業務への弊害も大きいことが分かった。
調査ではまず、ITツールの効果を調べた(表1)。ITツールの利用によって業務効率が上がったと感じているのは、調査対象者全体の約4割(39.3%)だった。内訳は、世代間で差が出た。20代ではコミュニケーション効率の改善を感じる傾向が強く、50代と付いた。
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「仕事相手とのやり取り、コラボレーションがしやすくなった」と回答したのは、20代が56.8%、50代が30.7%であり、26.1ポイントの差があった。「業務上のやり取りにおけるストレスが軽減した」と回答したのは、20代が45.5%、50代が31.7%で、13.8ポイントの差があった。
これらの結果から、20代と30代を中心にITツールの利用効果を強く実感していることが分かる。特に、「仕事相手とのやり取り、コラボレーションがしやすくなった」という点に利点を見出している。
20代と30代はITツールによる弊害も強く感じている
ITツールには業務への弊害もある。調査によると、「業務時間外のメール・チャット対応が増えた(37.3%)」、「欲しい情報が探しにくい(32.0%)」、「ツールが多すぎて気が散る(30.9%)」と回答。ITツールによって、集中して業務に取り組むことが困難になっていることがうかがえる。
特に、ITツールの利便性を強く体感する20代と30代では、ITツールによる弊害も強く感じる傾向がある。
例えば、20代の47.7%、30代の44.7%が「業務時間外のメール・チャット対応が増えた」と回答している。また、20代の37.5%が「ツールが多すぎて気が散る」と回答している。それぞれ、シニア層と比べて10ポイント前後の差が出ている。
ITツールの利用が浸透すると、コラボレーションが容易になる。この一方で、ITツールの利用が浸透すると、「仕事に集中できなくなる」と感じる層が将来的に増えていくことを示唆している、とDropbox Japanは見ている。
●Next:収益性・成長性の違いによるコミュニケーションやひらめきの傾向
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