経済産業省は、中央省庁と自治体における行政手続きのデジタル化に向けて、業務アプリケーションを「Microsoft Power Apps」で構築する実証実験を開始した。2020年内の本格展開を目指す。実証実験を支援するWinテクノロジと日本マイクロソフトが2020年2月12日に発表した。
経済産業省が行政手続きのデジタル化に向けた取り組みを前進させる。今回の実証実験プロジェクトで採用したのは、日本マイクロソフトの「Microsoft Power Apps」。同製品は、Webベースで動作する業務アプリケーションを、ローコード/ノンプログラミングで作成可能にするツールである(画面1)。
簡単かつすばやくアプリケーションを作成できることから、各種の手続き業務を迅速にデジタル化する、今回のような用途に向く。現場が必要とするアプリケーションを必要なタイミングで構築し、効果や使い勝手を確認しながら改善していけるというのがセールスポイントとなっている。
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一方、政府が行う行政手続きの種類は約5万8000種類で、件数では年間21億件に上る。このうち、年間10万件未満の中小規模の手続きが約5万7000種類と大半を占める。こうした中小規模の行政手続きについて、ユーザーの利便性を確保しつつ、迅速かつ低コストでデジタル化を進める方策の具体化が急務になっている。
今回、経済産業省は、Power Appsの効果を検証するための実証実験を開始した。同省は、今回の取り組みが、行政手続きのデジタル化の新たなアプローチになると期待している。Power Appsを使えば、行政手続きをデジタル化する業務アプリケーションを、素早く簡単に実装できることが期待できる(図1)。
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