メディケア生命保険は、運用していた20体以上のソフトウェアロボットを、RPA(ロボットによる業務自動化)ソフトウェア「UiPath」に移行した。移行を支援したSIベンダーのTISが2020年9月18日に発表した。
メディケア生命保険は、業務プロセス改善の一貫として、2018年に初めてRPAソフトウェアを導入した。Excelと業務システムを連携させるバックヤード業務を中心に、計26体のソフトウェアロボット(WinActorを使用)を運用してきた。
しかし、社内のコミュニケーション基盤と業務アプリケーションを「Microsoft 365」に移行することが決まり、この影響で既存のロボットは大幅な改修が必要になった。そこで、UiPathに移行することを2019年半ばに計画した。
移行を担当したTISは、ソフトウェアロボットのソースコードや現存するドキュメントを解析し、UiPathによるロボットを再開発した(図1)。コンバート作業と検証テストは、2020年3月末までに完了した。

各ロボットの作業内容は以前と同じだが、業務ルールの変更に合わせ、ファイルサーバー上に配置していた作業ファイルをShare Pointで共有するなど、変更を加えている。
RPA製品を異なる製品に移行する場合、ロボットをゼロから作り直す可能性もある。この場合、これまでにかけた労力や時間が無駄になってしまう。そこで、すでにあるRPAのリソースを活用しつつ、UiPathに移行する方法を模索した。
メディケア生命保険は現在、顧客から受け取った保険金請求書をOCR(光学文字認識)で読み取り、社内システムに登録するまでを自動化するため、技術検証を進めている。