三菱UFJフィナンシャル・グループの持分法適用関連会社である東銀リースは2020年11月5日、同社が開発中のブロックチェーンベースの電子契約サービス上で、CryptoPieのIoT印鑑の実証実験を開始した。捺印と電子署名の双方向で契約を締結できる、利便性の高い電子契約の実現を目指す。IoT印鑑の製造は松島清光堂が行い、ハンコ文化とデジタルの融和を目指す。
東銀リースは、独自のブロックチェーン基盤上で、新サービスの開発に着手している。第三者機関による認証方式である電子証明書/PKIによらないブロックチェーンの非中央集権性を活かした電子データの認証基盤と、これを応用した電子契約サービスの実証実験を開始している。
今回、IoT印鑑技術を持つCryptoPieと協業し、東銀リースが開発中のブロックチェーンベースの電子契約サービスと、CryptoPieのIoT印鑑技術を連携させる実証実験を開始した。取引先や業務に応じて紙への押印と電子契約を使い分けられるようになるため、電子契約を導入するハードルが下がる(図1)。
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CryptoPieのIoT印鑑技術は、物理的な印鑑にIoT技術を取り込んだものである。押印した事実を、押印者、押印した日時、押印した位置情報、押印回数とともに、ブロックチェーン上に記録する。押印事実の履歴は、専用のスマートフォンアプリで管理する。
CryptoPieは、IoT印鑑技術を採用した押印記録システム「Iohan」を、2020年10月12日に発表済み。CryptoPieでは、「印影をデジタル化するのではなく、実物としての印鑑とデジタルが共存可能な世界を目指す」としている。