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産総研、AI研究用スパコン「AI橋渡しグリーンクラウド基盤」を富士通に発注

既存システムとの合算性能はTOP500で国内2位に相当

2020年11月13日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

産業技術総合研究所(産総研)は、スーパーコンピュータシステム「AI橋渡しグリーンクラウド基盤」を富士通に発注した。2018年8月から稼働している「AI橋渡しクラウド基盤」(ABCI)と合算すると、倍精度浮動小数点演算性能は56.7PFLOPSとなり、2020年6月の最新のスパコンランキングTOP500リストの国内2位、世界6位に相当する。産総研の柏センターのAIデータセンター棟に増設し、2021年度から運用を開始する予定である。

 産業技術総合研究所(産総研)の「AI橋渡しグリーンクラウド基盤」は、産官学のAI研究開発を加速させるために構築する、産総研のスーパーコンピュータシステムである。AI研究開発の需要の高まりを受け、既存システム「AI橋渡しクラウド基盤」(ABCI)を増強する形で構築する。ABCIの基本的な構成を踏襲しつつ、より高性能な計算システムや大容量ストレージシステムなどを組み合わせる。

 新たに構築するAI橋渡しグリーンクラウド基盤の理論ピーク性能は、AI分野で重要視する半精度浮動小数点演算が300PFLOPS(ペタフロップス)、従来のシミュレーション分野で主に用いる倍精度浮動小数点演算が19.3PFLOPSになる見込み(表1)。

表1:「AI橋渡しグリーンクラウド基盤」の主な構成(出典:富士通)
高性能計算システム 主な構成品 FUJITSU Server PRIMERGY GX2570次期モデル
ノード数 120ノード
ピーク性能 19.3PFLOPS
総主記憶容量 97.5TB
大容量ファイルシステム 合算容量 11.2PB

 すでに稼働しているABCIと理論ピーク性能を合算すると、半精度浮動小数点演算は850PFLOPSに、倍精度浮動小数点演算は56.7PFLOPSになる。これは、2020年6月の最新のスパコンランキングTOP500リストの国内2位、世界6位に相当する。

 今回増設するAI橋渡しグリーンクラウド基盤は、1ノードあたり8基のGPU「NVIDIA A100」を搭載した2CPU構成の4Uラックマウント型サーバー機「FUJITSU Server PRIMERGY GX2570」の次期モデル(写真1)120台と、11.2ペタバイトの大容量ストレージで構成する。

写真1:「FUJITSU Server PRIMERGY GX2570」次期モデルの外観(出典:富士通)写真1:「FUJITSU Server PRIMERGY GX2570」次期モデルの外観(出典:富士通)

 新規に導入するストレージシステムは、すでに稼働しているABCIのストレージシステムと連携させて、相互にアクセスできるようにする。これにより、ABCIとAI橋渡しグリーンクラウド基盤を一体運用できるようにする。

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