電通デジタルは2020年12月4日、顧客の購買、解約、嗜好性などの予測モデルを「説明可能なAI」の手法を用いたアジャイル型で開発するコンサルティングサービスを発表した。企業の営業活動を支援する。
電通デジタルは、顧客の購買、解約、嗜好性などを予測するAIモデルを、「説明可能なAI(Explainable AI)」の手法を用い、なおかつアジャイル型で開発するコンサルティングサービスを開始した(図1)。企業の営業活動を支援する。
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説明可能なAIによって、予測結果の根拠を利用者に説明できるようになる。予測モデルを実際に活用する営業現場では、担当者が分析結果に納得した上で、確実な営業活動を行える。
すでに実施したプロジェクトの成果として、見込み顧客からの「受注率」や若手スタッフの「アプローチ成功率」において大幅な改善結果が得られたという。
アジャイル開発で営業担当者のフィードバックを反映して改善
現在、顧客と対面する営業現場においては、オンライン商談の必要性が増し、これにともない、データ活用のニーズが高まっている。中でも、顧客の購入確度や継続受注など購買の予測モデルを構築する際に、マシンラーニング(機械学習)を活用してアプローチを最適化しようとするケースが増えている。
この一方、多くの企業では、AIのPoC(概念実証)で開発した予測モデルが現場で活用されず、実運用に至らない課題に直面してる。要因として、ウォーターフォール型でPoCの工程を着実に段階的に進めていくプロセスが定着しており、開発途中での変更、追加が困難なことが挙げられる。
電通デジタルが今回提供するサービスでは、アジャイル型で予測モデルのプロトタイプを素早く構築する。こうして、現場スタッフや営業担当者からのフィードバックの反映と改善を高速で繰り返すことで、現場のニーズに沿った営業アタックリストや顧客プロファイルシートを迅速に提供する。
さらに、ナレッジコミュニケーションと協業し、AIに特化したデータ分析基盤「Databricks」を活用する。これにより、大規模なデータを高速に分析できる環境をスピーディーに構築できるとしている。環境構築を含めて3~6カ月でPoCを実施するとしている。