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全日空、秘密分散を採用した次世代クライアントPCを全社展開へ

2021年4月22日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

全日本空輸(ANA)は、現在使用中のVDI(デスクトップ仮想化基盤)システムに加えて、新たに秘密分散方式によってデータ漏洩のリスクを下げたクライアントPCを2021年下期より全社展開する。セキュリティとアプリケーションのレスポンスを両立させるのが狙いである。秘密分散方式の適用にZenmuTechの「ZENMU Virtual Desktop」を利用する。ZenmuTechが2021年4月22日に発表した。

 全日本空輸(ANA)は、現在使用中のVDIシステムに加えて、秘密分散方式によってデータ漏洩のリスクを下げたクライアントPCを2021年下期から全社展開する(図1)。野村総合研究所がプロジェクトを支援する。クライアントPC上でWindowsが動作するため、VDIシステムよりもアプリケーションのレスポンス向上、データ漏洩防止のセキュリティ強化を見込む。

図1:全日本空輸は、現在使用中のVDI(デスクトップ仮想化)システムに加えて、新たに秘密分散方式によってデータ漏洩のリスクを下げたクライアントPCを全社に展開する。アプリケーションをレスポンスよく使えることと、データ漏洩に強いセキュリティを両立させる(出典:ZenmuTech)図1:全日本空輸は、現在使用中のVDIシステムに加えて、新たに秘密分散方式によってデータ漏洩のリスクを下げたクライアントPCを全社に展開する(出典:ZenmuTech)
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 ANAは従来、セキュリティを保ちながら柔軟な働き方を実現するためのIT環境として、VDIを活用していた。ところが、VDIを利用するエンドユーザーが国内外で1万人以上に増えたことから、VDIの利用コストやレスポンスなどの課題が生じた。テレワーク下でのWeb会議など、VDIと相性の良くないアプリケーションの利用も増えてきたという。

 こうした経緯からANAは、VDIに変わる次世代のクライアントPC環境を検討した。VDIよりもレスポンス良くアプリケーションが使えること、VDIよりも安価に利用できること、端末を安全に外部に持ち出せること、テレワークなどの働き方にあった使い方ができること、などを要件に検討した。

 検討の結果、アプリケーションを端末上で稼働させながらも、データについては秘密分散技術を用いてクラウドに分散保管する「セキュアFAT端末」の方式を採用した。これにより、コストとレスポンスの課題を解消しつつ、データの漏洩のリスクに対して安全性を確保した。国内では同様の事例が増えつつある(関連記事三井倉庫HDがシンクライアントを普通のノートPCにリプレース、秘密分散技術でデータ保護)。

●Next:ANAが採用した秘密分散技術/セキュリティ製品の特徴

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