AI insideは2021年8月19日、AI-OCRサービス「DX Suite」の読み取り対象を拡充した。新たに、医療機関が発行する「医療費領収書」を読み取れるようにした。保険給付金支払の判定や確定申告に必要な医療費控除の明細書作成などを支援する。2021年8月19日時点で読み取れる非定型帳票は、全10種になった。
AI insideの「DX Suite」は、クラウド型AI-OCR(光学文字認識)サービスである(関連記事:AI-OCR「DX Suite」が健康診断書を読み取り可能に、労基署提出の報告書作成などを効率化)。
ディープラーニング(深層学習)による画像認識技術と、文章の前後関係を判定する自然言語解析を組み合わせている。手書きの文字のほか、読み取り時のズレや罫線などを含んだ画像も認識する。発行主体ごとにレイアウトが異なるさまざまな非定型帳票も、面倒な設定作業なく読み取ってデータ化できる。
今回、設定なしで読み取れる非定型帳票の種類を拡充した。新たに、医療機関が発行する「医療費領収書」を読み取れるようにした(図1)。これにより、既に読み取り可能な帳票と合わせて、全10種の非定型帳票を読み取れるようになった。
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2021年8月19日時点で読み取り可能な帳票は、請求書、領収書、レシート、注文書、給与支払報告書(令和2年度・令和3年度)、住民票、自動車税納付書、賃貸借契約書、健康診断書、医療費領収書である。
保険会社のデータ入力や医療費控除などに利用可能
医療費領収書をAI-OCRで読み取るユースケースを2つ挙げている。1つは、生命保険会社における給付金支払の判定である。医療費領収書は、契約者に提出を求める場合がある書類の1つである。AI-OCRにより、入院期間や入院費用などの必要項目をシステムに入力する作業を自動化・省力化できる。
もう1つは、確定申告における医療費控除の申請である。医療費領収書のデータを読み取って医療費控除の明細書を作成する必要がある。医療費控除の明細書は税理士事務所などが作成代行を請け負うこともあり、手入力しているケースもある。
AI insideは今後、非定型帳票の抽出したい項目をユーザー自身で自由に設定できる項目抽出機能や、文書や画像に記載されている文字をすべてテキストデータに変換する全文読取機能、画像ファイルをテキスト検索可能なPDFファイルに変えるサーチャブルPDF(透明テキスト付きPDF)変換機能などを予定している。また、Webフォームから入力したデータと紙帳票からAI-OCRで読み取ったデータを統合する「Digital Input」機能の提供を予定している。