[新製品・サービス]
日立、VSPのストレージ仮想化機能を強化、クラウドストレージを含めて異機種統合
2021年10月5日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
日立製作所は2021年10月5日、SANストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」におけるストレージ仮想化機能を強化したと発表した。同日、VSPの新モデルと、新製品となるSDS(ソフトウェア定義型ストレージ)の販売を開始した。複数の異機種ストレージを束ねて論理的に1台のストレージとして統合する機能を強化し、新たにクラウドストレージも統合対象にできるようにした。これにより、企業データのクラウド移行や、クラウド上でのシステム構築がしやすくなるとしている。価格はいずれも個別見積もり。
日立製作所の「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」は、SANストレージである。特徴であるストレージ仮想化機能により、VSPの配下にある複数の異機種ストレージを束ねてプール化し、論理的に1台のストレージとして利用できる。2台のVSPで広域クラスターを構成し、これらを論理的に1台のストレージとして扱う機能も備える。データのアクセス頻度に応じてストレージプール内でデータを自動的に移動する動的ILM(ストレージ階層化)機能や、データの重複排除・圧縮機能なども用意する。
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今回、VSPの配下で複数の異機種ストレージを束ねてプール化する機能を強化し、新たにクラウドストレージを含めて論理統合できるようにした。これにより、企業データのクラウド移行や、クラウド上でのシステム構築がしやすくなるとしている。現状では、Amazon Web Services(AWS)のクラウドストレージに対応する(図1)。
日立は、新機能で可能になる3つのシナリオを示し、SIサービスメニューを用意した。クラウドにデータをバックアップする環境を構築する「クラウド活用支援」、業務のクラウド移行に伴うデータ移行を支援する「クラウド移行支援」(図2)、企業システムのクラウド上の構築を支援する「クラウドネイティブ構築支援)計画中)」である。
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VSP上位モデルを新機種に刷新、データ圧縮性能を向上
ストレージ仮想化機能の強化に合わせ、VSPの上位モデルとして「VSP 5200」および「VSP 5600」の販売を開始した(表1)。いずれも、既存機種「VSP 5100」および「VSP 5500」からの刷新にあたり、オールフラッシュ型とハイブリッド型を用意している(関連記事:日立、スケールアウト型で拡張できるミッドレンジSANストレージ「VSP 5000シリーズ」を提供)。
製品名称 | Hitachi Virtual Storage Platform 5200 | Hitachi Virtual Storage Platform 5600 | Hitachi Virtual Storage Platform 5200H | Hitachi Virtual Storage Platform 5600H | |
---|---|---|---|---|---|
形名 | H-65AG-CBXAAN,A-65AG-CBXAAN | H-65AG-CBXAAS,A-65AG-CBXAAS | H-65AG-CBXAHN,A-65AG-CBXAHN | H-65AG-CBXAHS,A-65AG-CBXAHS | |
最大容量 | アレイシステム内部ストレージ | 23.1PB (20.5PiB) | 69.3PB (61.5PiB) | 23.1PB (20.5PiB) | 69.3PB (61.5PiB) |
アレイシステム外部ストレージ | 287PB (255PiB) | ||||
RAIDレベル | RAID5 (3D+1P, 7D+1P)、RAID1 (2D+2D)、RAID6 (6D+2P、14D+2P) | ||||
キャッシュメモリー最大容量 | 1024GiB | 6144GiB | 1024GiB | 6144GiB | |
ストレージクラスメモリ | 375GB | ||||
フラッシュドライブ | NVMeドライブ | 30TB / 15TB / 7.6TB / 3.8TB / 1.9TB | |||
SASドライブ | 30TB / 15TB / 7.6TB / 3.8TB / 1.9TB | ||||
ディスクドライブ | SASドライブ | - | 2.4TB | ||
ニアラインSASドライブ | - | 14TB / 10TB | |||
最大接続チャネル数 | ファイバチャネル | 32 | 192 | 32 | 192 |
FC-NVMe | 32 | 192 | 32 | 192 | |
メインフレームファイバチャネル | 32 | 192 | 32 | 192 | |
iSCSI | 16 | 96 | 16 | 96 | |
電源入力 | 単相200V | ||||
外形寸法(W×D×H)mm | 600~3579×1150×2057 | ||||
省エネ法に基づく表示(2011年度規定) | 区分 | 対象外 | N | ||
エネルギー消費効率 | 対象外 | 0.0041 |
新機種では、データ圧縮処理を専用ハードウェアにオフロードすることで、圧縮性能が40%以上向上している。なお、データ圧縮で、消費電力を約65%削減できるという(図3)。
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また、従量課金型で利用するユーザーは、処理性能が不足してきたタイミングで、ストレージコントローラを次期機種へと、システムを停止させることなくアップグレードできる(関連記事:日立、従量課金/月額固定で利用できるオンプレミス設置のストレージサービスを提供)。
●Next:ソフトウェア定義型ストレージ「VSS for block」の詳細