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トヨタ自動車、CAE解析の計算資源をグループ13社で共同利用してピークアウトに対応

2021年10月11日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

トヨタ自動車は、CAE解析の計算資源をグループ関連会社13社に開放し、共同利用させている。各社において一時的に計算負荷が増えても対応できるようにしている。これに合わせて、CAE解析の大容量データを高速転送するソフトウェアも導入した。ファイル転送ソフトウェアは「SkeedSilverBullet」で、開発元のSkeedがトヨタシステムズに270ライセンスを導入している。Skeedをグループ会社に持つSCSKが、2021年10月11日に発表した。

 トヨタ自動車とトヨタグループ関連会社はこれまで、CAE解析システムを各社で独自に調達していた。しかし、車両開発における一時的なピークなど通常外の利用が多数発生する場合、計算リソースの不足によって解析に遅れが生じるケースがあった。これに対して、利用のピークを基準とした計算リソースをグループ関連会社で調達することは、コストが増加する懸念があったという。

 こうした経緯からトヨタ自動車は、トヨタグループ関連会社各社における一時的なリソース利用増に対応できるように、トヨタ自動車が所有する計算リソースを開放し、各社に共同利用させている。これにより各社は、リソースを自前で増強することなく、ピークアウトに対応できるようになった。

 リソースを超える解析ニーズが発生した場合は、即座に共有の計算環境を利用できる。各社は、リソースの利用量に応じて従業課金型でリソース利用料金を支払う。大規模な計算リソースを使えるようになったことで、これまで実行が難しかった大規模モデルの解析や、複数計算の同時実行が可能になり、解析期間を短縮できた(1週間から1日へと短縮)。

 CAE解析データのネットワーク転送には、セキュリティの確保や高速転送などを目的に、Skeedのファイル転送ソフトウェア「SkeedSilverBullet」を採用した(関連記事Skeed、遠距離向けファイル転送ソフトの製品体系を整理)。大容量の計算データを、既存のネットワーク帯域を圧迫することなく、機密性を確保しながら転送できる(図1)。

図1:トヨタ自動車/グループ関連企業各社が共同利用するCAE解析システムへのSkeedSilverBulletの導入イメージ。SkeedSilverBulletは、長距離通信を高速化する(出典:SCSK)図1:トヨタ自動車/グループ関連企業各社が共同利用するCAE解析システムへのSkeedSilverBulletの導入イメージ。SkeedSilverBulletは、長距離通信を高速化する(出典:SCSK)
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 SkeedSilverBulletの特徴は、送達確認(ACK)のないUDPを使うことと、パケットを送信するペースを、輻そうを起こさない程度に自動で調整することである。これにより、遅延時間が大きい遠距離でのTCP/IP通信を高速化する。

 トヨタシステムズは今後、共同利用システムの計算リソースを拡張する予定である。また、トヨタ自動車の国内グループ関連会社への展開に加えて、北米、中国、タイをはじめとする海外のCAE活用拠点への展開を予定している。ファイル転送ソフトウェアのSkeedSilverBulletは、海外との通信など長距離の通信で特にメリットがあると見込んでいる。

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