PFUは2021年10月27日、ネットワーク可視化デバイス「iNetSec FC」を発表した。2022年2月から出荷する。ネットワークに接続している機器やネットワーク構成を可視化する。主に、工作機械やロボットなどを接続した工場のネットワークでの利用を想定している。価格(税別)は1台あたり48万円で、1年間の利用ライセンスを含む。2年目以降は1台あたり年額36万円。
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PFUの「iNetSec FC」(写真1)は、ネットワークに接続している機器やネットワーク構成を可視化するデバイスである。工作機械やロボットなどを接続した工場のネットワークを主な対象とする。
「ネットワークの専門知識を持たない生産現場でも、接続するだけで機器とネットワークを可視化し、迅速にトラブルを解決できる」(PFU)としている。デバイス1台で複数セグメント(最大3個の物理セグメントまたは最大32セグメントのタグVLAN)を管理できる。
iNetSec FCをネットワークに接続すると、ネットワークに接続した工作機械や制御機器などを自動で検出する(図1)。パケットを送出しないパッシブ検知方式で情報を収集するので、ネットワークに影響を与えずに利用できる。機器の詳細情報を把握したい場合は、ユーザーの操作によってパケットを送出するアクティブ検知型の情報収集にも対応している。
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IP/MACアドレスに加えて、PCなどのIT機器ではメーカー/OS/ホスト名などの詳細情報を独自技術によって自動識別する。これにより、直接機器の種別を確認して情報を登録する手間を省くことができる。工場のネットワークでよく使う、ノンインテリジェントなスイッチングハブも検出でき、故障時の影響範囲を可視化できる。
接続機器の一覧だけでなく、どのネットワークにどの機器が接続されているかといったネットワーク構成も可視化する。どの機器がどのスイッチのどのポートに接続されているかなど、接続構成を自動的に取得し表示する。機器を探す時間や、ケーブルを付け替える手間を省くことができる(図2)。
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トラブル発生時には、どの機器にトラブルが発生したのかを画面に表示する。ネットワークの負荷(使用帯域)と品質(転送エラー数)も可視化して、転送性能の低下や機器故障などのトラブル防止に役立つ。過去の状況も分かるので、問題発生時には原因を迅速に特定できる。
製品提供の背景として同社は、工場においてネットワークに接続する機器が増え続ける中、機器故障や設定ミスによるトラブルでラインが停止する損失が発生していることを挙げる。「一方、多くの工場にはIT担当者がおらず、生産現場にてネットワークを管理している。レイアウト変更も頻繁に行われ、トラブルの対処に時間がかかっている」(同社)。