[市場動向]

日本における未来志向型インフラ技術のハイプサイクル、AIは幻滅期を過ぎて本格普及へ─ガートナー

2021年10月28日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ガートナー ジャパンは2021年10月28日、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」を発表した。インフラ技術のうち、未来志向型と捉えられるものや、トレンドとなっている注目すべきキーワードを取り上げている。同社によると、AIは、幻滅期を過ぎて啓発期に入り、普及が進んでいる。過度な期待のピーク期には、NFT(非代替性トークン)やスマートワークスペースなどがある。

 米ガートナー(Gartner)のハイプサイクル(Hype Cycle)は、テクノロジーやサービス、関連する概念、手法などの認知度や成熟度などを視覚的に示したグラフである。今回、ガートナー ジャパンが発表した「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル」は、インフラ技術のうち、特に未来志向型と捉えられるものや、トレンドとなっている注目すべき重要なキーワードを取り上げている(関連記事日本における未来志向型インフラ技術のハイプサイクル、RPAは幻滅期の底を打って本格的な普及へ)。

 2021年版のハイライトの1つとして同社は、AIが本格的な普及期に入ったことを挙げる(図1)。2020年版の同ハイプサイクルでは幻滅期の谷に向かっていたが、2021年版では啓発期に入っている。一方、2020年版で黎明期の上昇フェーズに位置づけられていた「汎用AI(Artificial General Intelligence:AGI)」は、2021年版でも黎明期にとどまっている。また、ブロックチェーンも2020年版ではAI同様、幻滅期の谷に向かっていたが、2021年版では谷底近くまでポジションを進めている。

図1:「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」(出典:ガートナー ジャパン)図1:「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」(出典:ガートナー ジャパン)
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 2021年版における過度な期待のピーク期には、NFT(非代替性トークン)、スマートワークスペース、IoTエッジアナリシスなどを位置づけている。

 同社によると、今回新たに追加したテクノロジーやコンセプトには、人間中心のAI、人間中心のデザイン、イマーシブエクスペリエンス(Immersive Workspace:没入感のあるワークスペース)、デジタル倫理など、人を中心とした(People-Centric)デジタル化の考え方に関わる重要項目が含まれている。

 一方で、6Gやふるまいのインターネット(IoB:Internet of Behaviors)、Transformer(NLPにおけるディープラーニングモデル)などの新しい概念・テクノロジーも登場している。

 「デジタル化のトレンドは日本でも加速しているが、これは単にテクノロジーの追求を意味するのではない。テクノロジーに対し、今まで以上に人を中心に据えた考え方や使い方をすべきである。他方で、テクノロジーの動きは速く、油断するとトレンドに置いて行かれる状況が継続しているため、注意が必要だ」とガートナー ジャパンは指摘している。

関連キーワード

ハイプサイクル / Gartner / NFT / デジタルワークプレイス / 汎用AI

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