BIツールベンダーのクリックテック・ジャパンは2022年4月7日、データ活用のリテラシーに関するユーザー調査結果を発表した。調査によると、データリテラシーを発揮できる求職者は、給与が平均29%増える。従業員の67%は、自分の時間と資金を投じて将来必要になるスキルを習得しようとしており、従業員の27%は勤務先がスキルアップやトレーニングの機会を十分に提供していないという理由で過去12カ月の間に離職している。
米Qlikと市場調査会社のThe Future Labsは、データ活用のリテラシーに関するユーザー調査を実施した。2021年10月から11月にかけて、従業員50人以上の企業を対象に、日本を含むグローバルで実施した。調査結果は、レポート「データリテラシー調査: 『スキルアップの革新』」にまとめている。
調査によると、企業ではデータに対する評価が高まっている。日本の経営層の87%は、将来はデータリテラシーが不可欠になる、と考えている。日本の経営層の89%は、「どのようなデータに基づいて意思決定を下したか」という説明ができるようになることを、従業員全員に期待している。
データ主導型の職場へとシフトする動きは、データリテラシーのスキルを持つ従業員にとってはチャンスである(図1)。どの経営者も、データリテラシを発揮できる求職者には給与の増額を提示するつもりだと回答している。日本での給与増額の平均値は29%であり、平均的な日本の従業員(国税庁が公表している平均年収433万円)なら年収が128万円増える。
一方、データリテラシーのスキルに十分自信がある、と回答したのは、調査対象の従業員の5%に過ぎない。これに対して、ビジネスリーダーの間で最も多かった考え方は、「将来の職場に対応するスキルの習得は、企業や教育機関の責任というより、個人の責任である」というものだった。
企業におけるデータリテラシーのトレーニングは増えているが、これらは主に、データアナリストやデータサイエンティストなどデータ関連の仕事に就いている従業員を対象にしている。トレーニングを人事、財務、マーケティング部門の従業員に提供しているのは、日本では10社中1社程度しかない(人事が13%、財務が15%、マーケティングが11%)。
従業員の2/3以上(67%)は、自分の時間と資金を投じて、将来必要になる仕事のスキルを習得しようとしている。このために、月平均約7時間、年平均約21万円を費やしている(図2)。なかには会社を辞める人もいる。従業員の27%は、勤務先がスキルアップやトレーニングの機会を十分に提供していないという理由で、過去12カ月の間に離職したと回答している。
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