[事例ニュース]
東京ガスがコールセンター業務を効率化、自然言語処理を用いた検索システムでオペレーター報告を14%削減
2022年5月6日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三
東京ガスは、コールセンターの業務効率化に取り組んでいる。新たな検索システムを2021年10月に構築し、オペレーターからスーパーバイザーへのエスカレーション件数を約14%削減した。2022年4月には音声認識結果を活用した電話問い合わせ対応を開始した。これらのシステムは、アクセンチュアが2022年4月27日に発表した自然言語処理や自動音声認識技術を用いたシステムのSIサービス「AI Powered Knowledge Sharing」を利用して構築した。
東京ガスは、顧客からの問い合わせに対応するコールセンターの業務を改善するため、新たな業務システムの運用を2021年10月に開始した。古くなっていた情報を最新化し、分散していた知見を集約して一元管理し、自然言語処理技術を実装した検索システムを活用して、文章検索で必要な情報を取得できるようにした。これにより、オペレーターからスーパーバイザーへのエスカレーションを約14%減らしたという。
アクセンチュアが2022年4月27日に発表した「AI Powered Knowledge Sharing」(図1)を利用して構築した。AI Powered Knowledge Sharingは、自然言語処理や自動音声認識技術を用いて企業データの価値を引き出すシステムを構築するSIサービスである。社内に点在している知見やデータを集約し、あらゆる事業プロセスでデータを容易に活用できる環境を構築する。具体的には、音声やテキストなど各形式のリクエストデータに対し、AIがリクエストの意図を理解した上で、膨大なデータの中から関連する情報を抽出して提供する。
図1:「AI Powered Knowledge Sharing」の構成図(出典:アクセンチュア)拡大画像表示
東京ガスはさらに、2022年4月から、音声認識結果を活用した電話問い合わせ対応を開始した。顧客からの問い合わせ内容に応じてAIが瞬時に推奨回答を特定し、確認項目リストとともにオペレーターのPC画面に表示するシステムである。AIの支援によってオペレーターごとの応対のばらつきを減らすとともに、応対時間を短縮する。応対品質の向上と標準化も図る。
東京ガスは将来的に、AIが定型問い合わせの受付対応を担い、オペレーターがより付加価値の高い業務に専念できる環境の構築を目指している。
東京ガス / コールセンター / ナレッジマネジメント / 自然言語処理 / 音声認識 / エンタープライズ検索 / Accenture / SI / エネルギー
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