富士通と理化学研究所(理研)は2022年5月17日、スーパーコンピュータ「富岳」を創薬に活用する技術について、共同で研究を始めた。共同研究の成果として、2026年度末までに、中分子薬や高分子薬を視野に入れた新たなIT創薬プロセスを構築する。これを製薬企業などに普及させることで、新薬開発に必要な期間や費用を減らす。
富士通と理化学研究所(理研)は、スーパーコンピュータ「富岳」を創薬に活用する技術について、共同で研究を始めた。共同研究の成果として、2026年度末までに、中分子薬や高分子薬を視野に入れた新たなIT創薬プロセスを構築する。これを製薬企業などに普及させることで、新薬開発に必要な期間や費用を減らす。共同研究期間は2022年5月17日から2025年3月31日までで、これ以降も継続を予定する。
分子動力学シミュレーションとAIをスパコン(富岳)上で効率よく動作させることによって、分子動力学シミュレーションの高精度化と高速化を図る。こうして、ターゲットとするタンパク質の構造の変化を広範囲に予測する技術の確立を目指す。要素技術として、複雑なデータから定量的特徴を教師データなしで獲得する富士通のAI技術「DeepTwin」や、理研の創薬シミュレーション技術などを利用する。
両社の役割は、以下のとおりである。
- 富士通
- AI技術「DeepTwin」を活用し、タンパク質データの定量的な特徴を教師なしで獲得する技術の開発
- 「富岳」上で、分子動力学シミュレーションとAIを統合的に効率よく動作させる高速化技術の開発
- 理研
- 大規模な構造変化を高精度かつ少ない計算量で再現する新しい創薬シミュレーション技術の開発
- 多様な構造を推定するためのシミュレーションとAIと実験を組み合わせた融合技術の開発