日本製鉄は2022年5月30日、同年4月に経営情報やKPIをリアルタイムに把握可能なデータ統合基盤を構築したと発表した。基盤の名称は「NS-Lib」で、日鉄ソリューションズが開発したデータ管理サービスをベースに構築した。全社のデータを集約してカタログ化し、データドリブン経営を目指す。
日本製鉄は、経営情報やKPIをリアルタイムに把握可能なデータ統合基盤「NS-Lib」を2022年4月に構築した。経営上必要なデータと、各製鉄所で個々に蓄積しているデータをNS-Lib上でカタログ化。データを統合して集約し、経営レベルから第一線まで同じデータを元に意思決定や課題解決を行えるようにする。2022年度は、北日本製鉄所室蘭地区のデータと、瀬戸内製鉄所広畑地区のデータを対象とする。順次全社に適用を拡大する(図1)。
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データ統合基盤の構築に合わせて、データ活用基盤を使って業務改革を企画・実行できる市民データサイエンティストを育成する。2025年までに1000人以上育成する計画である。これらのデータを使いこなすDX人材(データ基軸で業務課題を抽出して解決する人材)も育成する。2030年までにスタッフ全員のDX人材化を目指すという。
日本製鉄はこれまで、デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の一環として、AI開発基盤「NS-DIG」、無線センサー活用基盤「NS-IoT」、IoTサービス「安全見守りくん」などを導入し、製鉄現場におけるAI技術やIoTの活用に取り組んできた(関連記事:日本製鉄、製造拠点のデータを集約して活用するシステムを構築、君津・鹿島地区で実運用開始)。
今回構築したNS-Libは、日鉄ソリューションズ(NSSOL)が開発したデータマネジメント基盤を中核に、talendやSnowflakeなどを用いて構築している。AI/IoTを含めた全社データを収集・蓄積し、ユーザーがこれらデータの意味を正しく理解して安全に活用できる環境を構築したという。なお、NSSOLは、NS-Libのデータマネジメント基盤を2022年7月に外販する予定である。