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日本製鉄、製造拠点のデータを集約して活用するシステムを構築、君津・鹿島地区で実運用開始

2022年5月6日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本製鉄は2022年4月27日、各製鉄所製造拠点のデータを収集してクラウド上で一元管理するシステムを構築したと発表した。LPWA(省電力長距離無線通信)を用いてデータを収集する。東日本製鉄所の君津地区と鹿島地区において、設備の早期異常検知を目的とした実運用を同年4月に開始した。システムの名称は「NS-IoT」であり、日鉄ソリューションズ(NSSOL)および日鉄テックスエンジと共同で構築した。

 日本製鉄は、各製鉄所製造拠点のデータを収集してクラウド上で一元管理するシステムを構築した(図1)。LPWA(省電力長距離無線通信)を用いてデータを収集する。東日本製鉄所の君津地区と鹿島地区において、設備の早期異常検知を目的とした実運用を2022年4月に開始した。

図1:、各製鉄所製造拠点のデータを収集してクラウド上で一元管理するシステム「NS-IoT」の概要(出典:日本製鉄)図1:、各製鉄所製造拠点のデータを収集してクラウド上で一元管理するシステム「NS-IoT」の概要(出典:日本製鉄)
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 各製鉄所製造拠点ではもともと、それぞれセンサーデータを収集・保持していた。拠点ごとにデータを分析し、それぞれの知見によって特異点検出など生産管理に活用していた。今回構築したシステムは、各製鉄所製造拠点で取得したデータをクラウド上で一元化する。集約したビッグデータを分析して設備の検知やトレンド監視に活用することで、データ駆動型の生産プロセスを実現する。

 拠点ごとの監視ではなく、多拠点共通のエンジニアが監視することで、労働生産性の向上にもつながる。先行して導入した君津地区、鹿島地区内では、実運用前に、設備の早期異常を検知する実証を実施。この結果、現場作業での点検負荷を低減させる効果を確認した。

 将来的には、海外拠点においても国内と同一レベルの操業・品質を確保する遠隔操業マネジメント基盤の構築を目指す。また、今後は、全製鉄所製造拠点やグループ会社への適用拡大、さらに外販パッケージ化して他の製造業に販売する展開も視野に入れている。

 システムの構築にあたっては、センサーの値を元にした異常判定、異常時のメッセージ通知といった基本機能に加え、センサー情報のトレンド表示など使い勝手を重視したシステムを日鉄ソリューションズ(NSSOL)と行動で開発した。また、日鉄テックスエンジと共同で、各種無線センサーのデータを収集するミドルウェアを開発した。フォーマットが異なるデータを共通フォーマットに変換することで、単一の受信装置で収集・状態監視を可能とする仕組みを開発した。

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