伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2022年6月16日、発電量が最大になる風車の配置を量子コンピューティングを活用して割り出す実証実験を実施したと発表した。この結果、従来のシミュレーションで10時間かかっていた計算を10分で算出したとしている。計算基盤には、量子コンピューティングに着想を得たNECのシミュレーテッドアニーリングサービス「NEC Vector Annealingサービス」を利用した。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、発電量が最大になる風車の配置を、量子コンピューティングを活用して割り出す実証実験を実施した。この結果、従来のシミュレーションで10時間かかっていた計算を、10分で算出した。計算結果についても、従来の結果と同等の結果が得られた。
計算基盤には、組み合わせ最適化問題を解くことに特化したNECのクラウドサービス「NEC Vector Annealingサービス」を利用した(関連記事:NEC、シミュレーテッドアニーリングのクラウドサービス「NEC Vector Annealingサービス」を開始)。
CTCは、25年以上にわたって、シミュレーション技術などをベースに、再生可能エネルギーの事業性評価や出力予測などのサービスを提供している。特に、風力発電の事業性評価に関しては、地形データの活用や現地調査の実施を含め、多くの実績がある。
今回CTCは、12km四方のエリア内にある約1万カ所のポイントに20基の風車を建設するシミュレーションを、量子コンピューティングを用いて実施した。これに先立ち、量子コンピューティング向けに独自の計算モデルを開発した。
実験の結果、従来のシミュレーションでは10時間かかっていた計算を、10分で算出した。また、計算結果についても、従来の結果と同等の結果が得られた。風車の配置を決める上での、量子コンピューティングの実用性を確認した。