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インターネット上のボトルネックを可視化し
クラウド利用者のデジタル体験の向上へ

2022年7月25日(月)

クラウドファーストからクラウド・バイ・デフォルトへ、企業のITシステムのクラウドシフトが加速している。しかし、そうした中でしばしば悩まされるのがネットワークのパフォーマンス低下の問題だ。これに対して適切な手を打つためには、まずインターネットの途中経路を含めた通信の現状を把握することが必要となる。この取り組みをサポートするソリューションとしてシスコシステムズが提供しているのが「ThousandEyes」というインターネット可視化ツールである。NTT Com DDはThousandEyesのプログラマビリティーを生かして、そこに独自の拡張機能を搭載。デジタル体験の向上に資する付加価値を提供している。

クラウド利用で直面するCX/UX低下の問題

 企業のITシステムのクラウドシフトが進み、顧客に対するさまざまなサービスをクラウドから提供するようになった。たとえばeコマースのサイトなども、オンプレミスのデータセンターからクラウドへとほぼ全面的に移行している。

 社内の業務アプリケーションについても同様だ。コロナ禍を経てリモートワークやハイブリッドワークに象徴される従業員の働き方改革が進み、この流れを受けてSaaSの利用が拡大している。

 だが、こうしたクラウド利用が拡大する中でしばしば直面するのが、CX(顧客体験)/UX(ユーザー体験)の低下という問題である。さまざまなITサービスやアプリケーションを利用する顧客や従業員が体感するパフォーマンスが低下してしまうのだ。

 たとえばECサイトでせっかく気に入った商品が見つかったとしても、注文ページになかなか遷移しないといったストレスを感じると、顧客は購買意欲を失ってサイトから離脱してしまうか、他社のサイトに移ってしまう。業務で利用しているさまざまなSaaSも同様で、従業員が体感するパフォーマンスの低下は生産性の低下に直結する。

 クラウドへアクセスする際に多くのユーザーが経由するインターネットの回線品質が、ベストエフォートであることがその一因だ。インターネットを通じてデータ(パケット)を送受信する経路の途中でネットワーク帯域が逼迫したり、ルートの迂回が発生したりすると、パケットの到達が遅れてパフォーマンスが低下してしまう。

 この問題の解決に乗り出したのが、NTT Com DDである。同社 GTM本部 副本部長の内田正文氏は、「シスコシステムズがCatalyst 9000スイッチにバンドルする形で提供しているインターネット可視化ツールThousandEyesに対して、NTT Com DDが独自開発した拡張機能を提供することで、CX/UX改善をサポートします」と訴求する。

写真1:GTM本部 副本部長の内田正文氏

インターネットのボトルネックを可視化

 まずはベースとなっているシスコシステムズのThousandEyesについて解説しておく必要がある。

 端的に言えばThousandEyesとは、クラウドサービスからユーザーの端末に至るまでのインターネットの経路をエンドツーエンドで可視化し、ユーザーが体感するパフォーマンスを数値化して示すソリューションである。これによりインターネットの経路の途中で起こっているネットワーク障害や、帯域の逼迫などを迅速に把握することができる。

 どうやってこれを実現しているのかというと、重要な役割を担っているのが次に示す3つのエージェントである。

1. Cloud Agent:シスコシステムズがインターネットの主要ノードに設置している監視エージェント。グローバルで190以上の都市に配置されている。
2. Enterprise Agent:企業が自社のデータセンターや拠点で運用しているサーバーやネットワーク機器にインストールする監視エージェント。
3. Endpoint Agent:エンドユーザーが利用する端末上のブラウザにプラグインとしてインストールする監視エージェント。

図1:ThousandEyesは3つのエージェントによりインターネットの経路をエンドツーエンドで監視する(出典:NTT Com DD)
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 GTM本部 パートナー営業部 IPOチーム グローバルプログラミングマネージャーの増田亜澄氏は、「この3種類のエージェントから収集されたデータをシスコシステムズ独自の機械学習モデルを実装したAIによって解析し、インターネットの経路上で発生しているパフォーマンス問題の根本的な原因を明らかにするとともに、関係者にアラートを通知します」と説明する。

写真2:GTM本部 パートナー営業部 IPOチーム グローバルプログラミングマネージャーの増田亜澄氏

 さらにThousandEyesのタイムラインビューでは、時間をさかのぼって問題が発生した時点の状況をグラフ上で確認することも可能。クラウドサービスからインターネットの中継点、エンドユーザーの足回り回線にいたるまで、どのレイヤーに問題があるのかを深掘りして把握できるツールとなっている。

ThousandEyesに独自の拡張機能を実装

 上記のようにThousandEyesはそれ自体でも高度な機能を備えているのだが、そこになぜNTT Com DDは独自の機能拡張を付加したのだろうか。

 「ThousandEyesは標準でチャットツールのSlackと連携してアラートを通知できますが、特に日本企業の間では、コミュニケーションツールとしてCisco WebexやMicrosoft Teamsが一般的に使われています。ならばそれらのツールに対応したほうがより多くのお客様の需要にお応えできると考えました」と内田氏は語る。

 実際に開発を行ったのは、NTT Com DDのマレーシア拠点のマレーシアCoEチーム(Char-Boo Lim氏、Yoong-Seong Hui氏、Ming-Keat Pang氏)である。内田氏によれば、マレーシアCoEチームは「シスコシステムズが主催する開発コンテンストや、NTT内のグローバルな開発コンテスト等のさまざまな賞を受賞してきたチーム」 であり、今回の拡張機能についても顧客の潜在ニーズを捉えた着想から企画、構築まですべてをリードしてきた。

写真3:マレーシアのCoEチーム(左からHui氏、Pang氏、Lim氏)

 「ThousandEyesは多くの競合ベンダーからも提供されているため、そこにNTT Com DDだけの独自の付加価値を提供したいというのが、開発にいたったきっかけです。そしてその付加価値を通じて、より多くのお客様にThousandEyesそのものの魅力を知ってほしいと考えました」とマレーシアCoEチームのメンバーは語る。

図2:NTT Com DDがThousandEyesに提供する付加価値の一部(出典:NTT Com DD)
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 これによりThousandEyesの拡張機能は、NTT Com DDとシスコシステムズのパートナーシップをさらに深め、新たなシナジーを発揮する触媒となる可能性もある。

 GTM本部 パートナー営業部 セールスチームの東野菜月氏は、「実際にこの拡張機能はシスコからも高い関心をいただいており、この拡張機能が同社を通じてさまざまな場面で紹介されるようになれば、それはNTT Com DDが提供している幅広いソリューションのビジネスチャンスにもつながっていくはずです」と期待を寄せている。

写真4: GTM本部 パートナー営業部 セールスチームの東野菜月氏

ThousandEyesの拡張機能が提供する付加価値

 ThousandEyesの拡張機能は、具体的にどんな付加価値を提供するのだろうか。そこには大きく3つのポイントがある。

 1点目は、先に触れた通りCisco WebexやMicrosoft Teamsとの連携だ。ThousandEyesの標準機能であるSlackとの連携では、要約された一部の情報だけしかアラートとして通知できなかった。これに対してCisco WebexやMicrosoft Teamsと連携することで、関係者に伝える情報量を大幅に増やしたのである。

 「ネットワーク遅延が起こったときに、経路上のどこがボトルネックとなっているのか。たとえばDNSの応答時間(名前解決時間)やネットワークパスの滞留時間など、アラートに関連した数値情報もあわせて提供します。またメッセージ内のリンクをクリックすればダイレクトにThousandEyesのダッシュボードを開き、より詳細にアラートの中身を掘り下げて確認することができます」(東野氏)

 2点目は、ThousandEyesとの2Way(双方向)アクセスである。Cisco WebexやMicrosoft Teamsの画面からメニューを選択することでThousandEyesに コマンドを飛ばし、任意の情報を得ることができる。「この機能は弊社の販売パートナーであるSCSKやSDCからもリクエストを受けて開発したものです」(Lim氏)

 そして3点目が、最近になって実現されたオープンソースのダッシュボード ツール「Grafana」との連携である。ThousandEyesの情報をGrafanaのダッシュボード上に出力するほか、他の監視ツールから収集した情報も同じ画面に統合し、一元的な監視・管理を実現するのである。GTM本部 パートナー営業部セールスチーム チームリーダーの田澤淳氏は、「Grafanaのダッシュボードの優れたカスタマイズ性を活かし、お客様ごとの運用環境にあわせた作り込みにも対応していきます」と語る。

写真5:GTM本部 パートナー営業部セールスチーム チームリーダーの田澤淳氏

さらにセキュリティ強化に資する機能を実装

 これにとどまらずマレーシアの開発チームでは、ThousandEyesをプラットフォームとしたさらなる機能拡充を進めており、「シスコシステムズのXDR(クロスレイヤーの脅威検知と対応)ソリューションであるSecureX との連携機能の開発にもすでに着手しました」とLim氏は語る。

 これによりネットワークの途中経路のボトルネックを発見してパフォーマンス改善に貢献するだけでなく、悪意をもったサイトを検知してルートを回避するなど、セキュリティ強化のためにもThousandEyesを役立てることが可能となる。

 そして、このNTT Com DDの一連の取り組みはシスコシステムズからも高く評価されており、シスコシステムズ主催のパートナー会社でのプレゼンテーションコンテストで優勝した際に以下のメッセージが寄せられている。

 「ペルソナをしっかりご定義いただいて、新たに今我々が直面しているHybrid Workという課題をUse Caseベースで落とし込んでご提案いただいているというところが評価ポイントになりました。シスコシステムズが今力を入れているプログラマビリティーまで触れていただいて、非常に世界観の広がりがあるというところまでご提案のスコープが広がっているというところも評価ポイントになりました。ぜひ横展開をしていただいて、さまざまな方々に今後Secure Hybrid Workの重要性、それに対してシスコSASEというものが組み込まれていくというところの世界観を伝えていっていただきたいと思っております」

 冒頭で述べたようにクラウドシフトが進むにつれ、ネットワーク上でブラックボックス化する部分が増えていき、ガバナンスを効かせることが困難になっていく。

 「マルチクラウド環境で複雑化していくネットワークの運用管理を少人数のスタッフでも効率的に行えるようにすることを目指し、NTT Com DD独自のノウハウを生かしたソリューションを、ThousandEyesを通じて幅広いお客様に向けて提供していきます」と内田氏はあらためて強調し、今後のビジネス展開に向けた意欲を示す。


●お問い合わせ先

NTT Com DD 株式会社

E-mail:marketing.jp@nttcdd.com
URL:https://nttcdd.jp/

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