PwCコンサルティングは2022年9月20日、社内コミュニケーションにメタバースを活用するためのコンサルティングサービスを開始した。企業が自社社員を対象としたイベントにメタバースを活用する取り組みを支援する。イベントの準備から実行までに要する期間は約5カ月で、PwCが自社で実施したメタバースの実証実験を通じて得た知見を基にしている。
PwCコンサルティングは、社内コミュニケーションにメタバースを活用するためのコンサルティングサービスを開始した。社員を対象としたイベントの開催を包括的に支援する。同社が自社で実施したメタバースの実証実験（2022年6月）を通じて得た知見を基にしている（関連記事：「メタバースに興味がありNFTを認知している」企業の18％が1年以内にメタバースを事業化する計画─PwC）。
イベントの企画立案、コンテンツ制作、運営、開催後の効果検証までを網羅する。社内コミュニケーションにメタバースを適用する目的として同社は、事業戦略の浸透、従業員エンゲージメントの向上、社員間コミュニケーションの活性化、などを挙げている。準備から実行までに要する期間は、約5カ月である。
PwCが2022年6月に実施したメタバースの実証実験では、全社員（延べ8800名）を参加対象に3000台のVRゴーグルを用意し、メタバース空間で自社イベントを開催した。これにより、メタバースを活用した社内イベントにおける課題や効果を洗い出し、得られた示唆を調査レポート「大規模メタバース社内イベント実証実験」にまとめている（画面1）。
画面1：PwCコンサルティング「大規模メタバース社内イベント実証実験」のWebページ同レポートによると、VRを活用したイベントへの再参加意識は高く、VRゴーグルを用いて参加した人の約96%が「次回も参加したい」と答えている。また、「社内戦略に対する理解度の変化」についての調査結果を要素分解して評価したところ、「内容理解のしやすさ」の面でメタバースイベントの有効性を示唆していたという。
「一方で、メタバースの課題も認識できた。VR酔い、機器のセットアップ、プライバシーやセキュリティに関してネガティブなイメージを持つなどである。今回開始したコンサルティングサービスでは、これらの課題を回避・低減することを考慮する」（同社）。
