NTTデータは2022年10月12日、プロセスマイニングツール「Celonis」を利用した経営コンサルティングサービスを提供開始した。プロセスマイニングによって、プロセス指向のデータドリブン経営を実現・支援するとしている。プロセスマイニング領域における同社初のサービスであり、2025年度までにCelonis関連のスペシャリストを500人体制とし、関連サービスの導入も含めて500億円の売り上げを目指す。
NTTデータは、プロセスマイニングツール「Celonis」を利用した経営コンサルティングサービスを提供開始した(図1)。プロセスマイニングによって、プロセス指向のデータドリブン経営を実現・支援するとしている。
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現状のアセスメント、ロードマップの策定、プロセスマイニングツールの導入、活用の定着支援までをエンドツーエンドで支援する。企業や組織文化の特性を踏まえ、プロセス指向のデータドリブン経営を推進するCoE(Center of Excellence)の構築も支援する。
プロセスマイニングの特徴は、従来のトランザクションデータ(売り上げや仕入といった作業結果のデータ)に加えて、プロセスデータ(購買申請、価格変更、承認などの、部門や担当者を横断する一連の業務オペレーションを記録したデータ)を扱うこと。
プロセスマイニングを用い、アプリケーションのログなどから業務フローを可視化する。これにより、これまで難しかった、業務オペレーションのボトルネックの把握が容易になる。こうして、当該業務の見直し、RPAによる自動化、AIによる意思決定の高度化・迅速化、などを実現する。
例えば、営業プロセスを社員ごとに可視化し、営業成績の良い社員の行動パターンを特定し、組織内で展開する、といった使い方が可能である。また、複数システムのプロセスデータを統合して分析することで、システムをまたいだ業務オペレーションにおけるルールの逸脱を継続的に監視できる。
今回のコンサルティングサービスでは大きく、「データ蓄積」(ServiceNowを活用した業務オペレーションのデジタル化)、「可視化&分析」(Celonisによる業務オペレーションの可視化)、「業務改善」(RPAのUiPathやiPaaSのWorkatoなどを活用した改善施策の立案・実行)の仕組みを構築する(図2)。
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NTTデータはサービス提供の背景として、プロセスマイニングによるプロセスデータの可視化と分析が注目を集めていることを挙げる。「これまでは、BIツールを使ってトランザクションデータ(業務オペレーションの実行結果の記録)を分析してきた。一方、プロセスマイニングでは、各業務トランザクションのプロセスデータ(業務オペレーション実行過程の記録)を分析する。プロセスデータに含まれる情報を可視化することで、単なる結果の良しあしに加えて、結果に寄与しているプロセスを瞬時に特定し、経営判断に活用する事例が増えている」(同社)。