フィンランドWithSecure(2022年3月にF-Secureから社名変更)日本法人のウィズセキュアは2023年2月15日、YouTube動画を使って詐欺アプリを広める暗号資産詐欺に関する調査レポートの日本語版「YouTubeでのUSDT暗号資産詐欺の分析」を公開した。同社のリサーチチームが2022年後半に収集したデータを基にした調査で、「発見した不正アプリは約900人の被害者から10万米ドル強の収益を上げた」と推測している。
ウィズセキュアは、YouTube動画を使って詐欺アプリを広めるタイプの暗号資産詐欺暗号資産詐欺に関する調査レポートの日本語版「YouTubeでのUSDT暗号資産詐欺の分析」を公開した。同社のリサーチチームが2022年後半に収集したデータを基にした調査で、「発見した不正アプリは約900人の被害者から10万米ドル強の収益を上げた」と推測している。
リサーチチームが発見した詐欺グループは、暗号資産の「テザー(Tether、別名USDT)」を使った暗号資産投資スキームを装っている。既存の暗号資産投資家をターゲットとしており、YouTube動画を紹介する形で不正なWebアプリへの参加を促す。詐欺に引っかかった投資家は、既存の暗号資産ウォレットから不正なWebアプリに資金を送金する。しかし、アプリからウォレットへの送金は確認されていないという。
YouTube動画で不正アプリを正当なものと信じさせる
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詐欺グループは、不正な詐欺アプリを信じ込ませるため、数千ものオンライン動画を駆使している(画面1)。これらの動画の一部は、小規模の詐欺グループが管理する数百のYouTubeチャンネルから「いいね」や「チャンネル登録」などの作為的なエンゲージメントを受けている。不正アプリを正当なものと信じさせるため、自動化プログラムを駆使して、動画にコメントをコピー&ペーストしている。
ウィズセキュアは、不正なWebアプリをホストするサーバーとして、700以上のURLを発見済み。関連する暗号資産ウォレットを分析したところ、さらに数千のURLが用いられている可能性があることが分かった。なお、詐欺グループには約30人のメンバーがいると推定。詐欺グループは、グループ内でのやり取りと、詐欺オペレーションの手段として、メッセージアプリ「Telegram」を使っている。
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